第六百六十四夜   季節外れの夕立に降られながら同僚と事務所の最寄り駅まで並んで歩いていると、不意に視界が白く染まり、一瞬後に爆音が轟いた。どうやらごく近くに落雷があったようだ。直ぐに駅構内に入ると、安全確認の […]
第六百六十三夜   通勤電車で事務所の最寄り駅のロータリにあるバス停へ並ぶと、同僚の一人がその列に並んでいた。 おはようと声を掛けると、彼女は何やら難しい顔をして暫く黙った後、 「先輩は、卵酒って飲んだことあり […]
第六百六十二夜   さして大型でもない連休の最終日は生憎、一日中雨の予報だった。少なくなった食料を午前中に買い出しに出掛け、圧力鍋に適当な煮込み料理を仕込む。 冷凍食品のチャーハンと餃子を片手に、昔懐かしいテレ […]
第六百六十一夜   とりたてて大型と言うほどでもない連休の初日の午前十時、母方の実家に到着して父の運転する車に深夜から半日ぶりに解放された。 家から祖母が出てきて両親と一言二言挨拶を交わし、皆でトランクから荷物 […]
第六百六十夜   電車で訪れた取引先から、先方のご厚意で用意して頂いたタクシで帰社することになった。同行した部下との必要なやり取りを終えると特に話の種もなく、手帳を取り出してメモ書きを確認しながら暫く過ごす。 […]
第六百五十九夜   休日の朝早く、割と仲の良いバイト仲間が入院したから代わりに入ってほしいと店長から連絡が来た。半日仕事をした後、都合のつくときに見舞いにでも行こうかとメッセージ・アプリで連絡を入れると、入院し […]
第六百五十八夜   今日は入院した友人の見舞いに、友人三人で地域のターミナル駅に待ち合わせをした。入院と言っても大怪我とか大病というわけではないらしい。足に出来た傷口からなんだか悪い菌が入って大きく腫れ、傷の位 […]
第六百五十七夜   事務所を出て春雨のしとしとと降る中を小走りに駆け、倉庫の錠前を外して中に入ると、バケツから固く絞ったモップを手にとって掃除を始める。 うちは小道具貸しの小さな会社で、都からほど近い田舎に倉庫 […]
第六百五十六夜   仕事帰り、最寄り駅と半ば一体化した商業施設に入った本屋で一冊の単行本を買った。単行本といっても漫画である。自分でもいい歳をしていつまで集めるものかとも思うが、集め始めた小学生の頃から連載が終 […]
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