第六百七十三夜   宿泊学習で県内の湖畔の県営施設に宿泊し、早朝に起きて霧雨の中のラジオ体操を終えるとすっかり身体が冷えていた。食堂へ移動して温かいスープを飲むと、腹に収まった熱がじわじわと手脚へ広がって行くよ […]
第六百七十二夜   気象庁が梅雨入りを発表した週の休日、朝食を摂りながら見た天気予報で「今日は貴重な晴れ間」と言うのを聞き、溜まっていた洗濯物に手を付けることにした。 アパートから徒歩三分ほどの位置にあるコイン […]
第六百七十一夜   塾からの帰り道、駅前の繁華街を抜けて住宅街へ入ると、辺りが急に暗くなる。住宅街の端の団地住まいの友人がいて本当に良かった。 住宅街の中程、神社と元酒屋のコンビニエンス・ストアが並ぶ一角、小綺 […]
第六百七十夜   南方の台風が梅雨前線を刺激した嵐の中、各種警報にもめげず定刻まできっちり営業した我が店の閉店作業を終えてネット調べると、予想通りにバスの運行は休止していた。「こういう非常時に利用できてこそ、ホ […]
第六百六十九夜   午前中に一仕事を終えると、取引先の偉い人に昼食をご馳走するといって近所の鰻屋に案内された。率いられるがままに席に就き、出されたおしぼりで手を拭きながら、彼の注文が終わるのを待つ。 注文を終え […]
第六百六十八夜   中学の頃の部活の後輩と対戦していたネット・ゲームに一区切りがついた。当時同じカード・ゲームが好きで仲良くなって卒業後もたまに遊んでいた。多少疎遠になった時期もあったが、そのシリーズがネット上 […]
第六百六十七夜   学食で友人達と集まって昼食を摂り、次の授業まで時間のある者数人が残って世間話をしていると、 「日曜日、バイト先で変なことがあって……」 とそのうちの一人が言い出した。 彼女は大学入学後ほどな […]
第六百六十六夜   私の通う小学校は創立百周年を超える古いもので、いわゆる学校の七不思議がたくさんある。七つどころか両手両足の指でも足りなくて、もうどれが元々の七不思議なのかわからない。七不思議なのに「たくさん […]
第六百六十五夜   突然の嵐で電車が不通になった。帰宅の足が無くなって困っていると、同僚が家へ泊めてくれると言う。大したもてなしは出来ないが職場にほど近いマンションの一室で、十五分ほど歩けば辿り着けるから、途中 […]
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