第四百七十五夜   学校の補修から帰宅して直ぐ洗濯機に水を張り、脱いだ衣類を放り込んでそのまま浴室に入った。夏に外を歩くと散歩程度でもシャツを絞れるくらい汗を掻くもので、着替えぬまま過ごしていると生乾きの匂いに […]
第四百七十四夜   一学期末の定期試験を終えた午後の帰宅中、空に黒い雲の広がるのを不安に思っていると案の定、周囲が光ったかと思うと数秒の間を置いて雷鳴と雨粒とが降り掛かってきた。 鞄には折りたたみ傘が入っている […]
第四百七十三夜   知り合いの勤める中古車販売店へ、手頃な車がないかと連絡を入れると、幾つか勉強できるものがあるというので買い物前に訪ねてみた。 乗っている車のバッテリにガタが来て、交換と言ってもそれなりの金額 […]
第四百七十一夜   強制的に始まったOSのアップデートが終わり、漸く仕事に取り掛かれると安心して珈琲を淹れに席を立った。 全く身に覚えはないが、何かの拍子で自動アップデートを許可してしまったのだろう。仕事を始め […]
第四百六十八夜   大浴場から戻ると、火照った身体を冷やすべくビールと適当なツマミを内線で頼み、一人旅には余りに贅沢な部屋を見渡す。ワクチンの接種が進んだとはいえ時期でもない平日のこと、リモート・ワークを旅先で […]
第四百六十七夜   仕事帰りに立ち寄った駅前のスーパーを出て、住宅地へ続く道を数分歩くともう人気は殆ど無くなり、静かに湿った夜道がLEDの街灯をぬらりと反射しているばかりとなった。 これだけ交通量の無い中ならと […]
第四百六十六夜   御茶ノ水の病院からの帰途、橋から見下ろすホームに人が犇めき合っているのが見えた。改札前も黒山の人だかりで、拡声器のアナウンスで漸く、人身事故で電車が止まっていると知れた。 友人の見舞いだった […]
第四百六十五夜   疫病騒ぎの運動不足解消にと冬頃始めた早朝のジョギングを、気温の上がり人の増える前にと日の出に合わせていたのだが、もう夏至も間近とあって四時には目覚ましを止めて支度をしなければならなくなった。 […]
第四百六十三夜   買い貯めした向こう一週間分の食料品を両手に提げて量販店を出ると、予報に反してにわか雨が路面を濡らしていた。 傘は持っていないが、両手の塞がっている以上濡れて歩くことには変わりないので濡れて帰 […]
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