第四百六十二夜   客が少ないからと連絡してきた友人の飲み屋で夕食代わりの晩酌をしていると、隣で友人自慢の自家製チョリソをアテにちびちびとワインを舐めていた老紳士が話し掛けてきた。 彼も自営業をやっているらしい […]
第四百五十八夜   「珍しい物が手に入ったから見せたい」。 そんなメッセージで友人に呼び出されて学食のテラス席へ向かうと、とうに食事を終えた友人二人が荷物を置いた席を挟んで談笑しているところだった。一人は私を呼 […]
第四百五十五夜   大型連休の終わり際、彼女に何処へも出掛けられていないと文句を言われた。疫病騒ぎももう丸一年、ストレスが溜まっているのだろう。 とは言えわざわざ人混みへ入って病気を貰いに出掛けるのも馬鹿馬鹿し […]
第四百五十四夜   大型連休の開けた朝、連休中に溜まった生ゴミをようやく捨てられると、昨夜中に纏めて土間に置いておいたゴミ袋を手に玄関を出ると、お隣さんも丁度同じ様に共用廊下へ現れたところだった。 派手な顔立ち […]
第四百五十三夜   高校から出された大型連休中の課題プリントを、テスト前に復習するために複写しておこうと思い立って近所のコンビニエンス・ストアへ向かう。 近所といってもマンションの玄関口を出て小道を一本挟んだ隣 […]
第四百五十一夜   昼食を片付けている間に淹れた珈琲が未だ僅かに落ち切っていないのを見て、手持ち無沙汰に窓外へ目を遣ると、五月晴れの空を遮る洗濯物が目に入る。 もう四時間ほどは外に出してある。ここのところ気温も […]
第四百四十五夜   就職を機に一人暮らしを始めて最初の休日、朝から近所の量販店へ出掛けた。自分なりに調べて準備万端、必要な家具や日用品を整えたつもりが、ほんの数日であれもこれもと足りないものに気付かされての買い […]
第四百四十三夜   棚の下からせっせと本を取り出して並べているお姉さんの忙しなさに少々引け目を感じながら、済みませんと声を掛けると、彼女は即座に作業を中断し、ハイと返事をしてこちらを振り返った。 その目の色から […]
第四百四十二夜   オンラインでの会議を終え、すっかり冷めた珈琲を淹れ直してパソコン・ラックへ戻ってくると、上司からの通話要求を知らせるサインが点灯していた。 慌てて通話を開始し、カップを見せながら待たせたこと […]
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