第四百五十三夜   高校から出された大型連休中の課題プリントを、テスト前に復習するために複写しておこうと思い立って近所のコンビニエンス・ストアへ向かう。 近所といってもマンションの玄関口を出て小道を一本挟んだ隣 […]
第四百五十一夜   昼食を片付けている間に淹れた珈琲が未だ僅かに落ち切っていないのを見て、手持ち無沙汰に窓外へ目を遣ると、五月晴れの空を遮る洗濯物が目に入る。 もう四時間ほどは外に出してある。ここのところ気温も […]
第四百四十五夜   就職を機に一人暮らしを始めて最初の休日、朝から近所の量販店へ出掛けた。自分なりに調べて準備万端、必要な家具や日用品を整えたつもりが、ほんの数日であれもこれもと足りないものに気付かされての買い […]
第四百四十三夜   棚の下からせっせと本を取り出して並べているお姉さんの忙しなさに少々引け目を感じながら、済みませんと声を掛けると、彼女は即座に作業を中断し、ハイと返事をしてこちらを振り返った。 その目の色から […]
第四百四十二夜   オンラインでの会議を終え、すっかり冷めた珈琲を淹れ直してパソコン・ラックへ戻ってくると、上司からの通話要求を知らせるサインが点灯していた。 慌てて通話を開始し、カップを見せながら待たせたこと […]
第四百四十一夜   母に呼ばれて居間の扉を開けると、焼きたてのホット・ケーキの香りが鼻腔をくすぐった。 妹と並んで食卓に座り、バターとメイプル・シロップを掛けてナイフで一口大に切り分けて口へ運んでいると、背後で […]
第四百三十九夜   数日ぶりに気持ちよく晴れた日曜の朝、春の長雨のために溜まってしまった洗濯物を午前中にやっつけてしまおうと、ベランダの物干しに洗濯物を吊るしていると、背後からインターフォンの呼び出し音が聞こえ […]
第四百三十八夜   荷物持ちを期待して買い物に連れて行った弟が帰り際、 「本屋に寄っていきたい」 と言いだした。目論見の外れたことを内心で嘆きつつ、生鮮食品の袋を受け取って一人家路を歩くことにする。 弟が大学進 […]
第四百三十七夜   カートに載せた一週間分の食糧を眺めながら、屋上の駐車場へ向かうエレベータの到着を待っていた。最近は運動不足を補うべく、多少のことなら階段を上り、自転車や自動車を避けて歩くことにしているが、流 […]
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