第四百五十四夜   大型連休の開けた朝、連休中に溜まった生ゴミをようやく捨てられると、昨夜中に纏めて土間に置いておいたゴミ袋を手に玄関を出ると、お隣さんも丁度同じ様に共用廊下へ現れたところだった。 派手な顔立ち […]
第四百五十三夜   高校から出された大型連休中の課題プリントを、テスト前に復習するために複写しておこうと思い立って近所のコンビニエンス・ストアへ向かう。 近所といってもマンションの玄関口を出て小道を一本挟んだ隣 […]
第四百五十一夜   昼食を片付けている間に淹れた珈琲が未だ僅かに落ち切っていないのを見て、手持ち無沙汰に窓外へ目を遣ると、五月晴れの空を遮る洗濯物が目に入る。 もう四時間ほどは外に出してある。ここのところ気温も […]
第四百五十夜   早朝に校庭へ集まって十数分経った頃、出掛けに父の予言したとおりに雨が降り始め、皆急いで荷物を手に手に、大きな庇に守られた昇降口へ避難する。とても通り雨といった様子でなく、西の空にも低い灰色の雨 […]
第四百四十九夜   借りてきた本の頁を夢中になって捲っているうち、いつの間にか雨はすっかり止んでいた。 本に栞を挟んで手提げに仕舞って自転車の前籠に入れ、サドルの下に挟みっぱなしのタオルで濡れたサドルとハンドル […]
第四百四十八夜   緊急事態宣言が解け、久し振りに社会人サークルの仲間でキャンプ場に集まった。陽の落ちる前に作った夕食を平らげ、持参したアルコールを飲みながら洗い物を済ませると火を囲みながら談笑をして過ごし、さ […]
第四百四十七夜   「ちょっとトイレ」 と宣言して映画の再生を止めてもらって席を立った。午前中に買い物に出たときにはよく晴れて風もない行楽日和だったが、このご時世ではなかなか行楽という気にもならず、午後はこうし […]
第四百四十六夜   数カ月ぶりに緊急事態が解除され、久し振りにお茶のお稽古の案内が届いて、教室へお邪魔した。 お茶室に入ってまず驚いたのが、低い機械音を鳴らす空気清浄機で、 「換気をと言われても、お茶室では難し […]
第四百四十二夜   オンラインでの会議を終え、すっかり冷めた珈琲を淹れ直してパソコン・ラックへ戻ってくると、上司からの通話要求を知らせるサインが点灯していた。 慌てて通話を開始し、カップを見せながら待たせたこと […]
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