第四百六十四夜   早朝、事務所の駐車場に着くと、既に昨日見た黒いワンボックス・カーが停まっていて、こちらが車を停めている間に中から金色のソバージュ男が現れた。デニムのダメージ・パンツに黄色いTシャツ、黒革のベ […]
第四百六十三夜   買い貯めした向こう一週間分の食料品を両手に提げて量販店を出ると、予報に反してにわか雨が路面を濡らしていた。 傘は持っていないが、両手の塞がっている以上濡れて歩くことには変わりないので濡れて帰 […]
第四百六十一夜   買い物から帰宅した私を、西日に当たって橙色に染まるキャット・タワーの中段に寝ていた猫が面倒くさそうに首を上げてこちらを見た。目が合うとそろそろ夕食と気付いて立ち上がり、背を丸めて伸びをしてか […]
第五百夜   先生に不意に背中を叩かれ、慌てて、 「よろしくお願いします」 と頭を下げると、横一列に並んだ先輩や同学年ながら他学級の生徒達も口々によろしくと答えたり、小さく会釈を返してくれた。 何もこんな時期に […]
第四百五十九夜   買い物から帰宅して真っ先にトイレに駆け込んで用を足して扉を開けると、買ってきたばかりの雑貨を早速取り出して消毒している同棲相手が、 「そんなに我慢しなくても、外でしてくればよかったのに」 と […]
第四百五十八夜   「珍しい物が手に入ったから見せたい」。 そんなメッセージで友人に呼び出されて学食のテラス席へ向かうと、とうに食事を終えた友人二人が荷物を置いた席を挟んで談笑しているところだった。一人は私を呼 […]
第四百五十七夜   夕食を終えてソファ・ベッドに横になり、同じく夕食を終えてご満悦の飼い猫を腹の上に載せながらテレビの映画を眺めていた。 映画がコマーシャルに入ってこの機に便所へと思い、猫を抱き上げて退かして洋 […]
第四百五十六夜   仕事帰りに読み終えた本の返却に図書館へ寄ることにした。最寄り駅で列車を降り、春の嵐の名残りで風の強い中を買い物し、その荷物を提げて市の施設へ向かう。 渡り廊下で接続された大きな建物郡はそれぞ […]
第四百五十五夜   大型連休の終わり際、彼女に何処へも出掛けられていないと文句を言われた。疫病騒ぎももう丸一年、ストレスが溜まっているのだろう。 とは言えわざわざ人混みへ入って病気を貰いに出掛けるのも馬鹿馬鹿し […]
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