第五百二夜   仕事帰りに買ってきたビールをグラスに注ぎ、焼き鳥を串から外して皿に並べて晩酌の準備が完了した。 ナントカ宣言だかが久し振りに解除されたので外で飲もうと思えばそれが出来ないわけではない。が、今日は […]
第四百九十九夜   腹も熟れてきた昼下がり、散歩がてら少し大きな公園まで歩き、秋らしい植物でも写真に収めようかと家を出た。 もう十月だというのに、よく晴れて気温が高い。真夏に比べれば数度気温も湿度も低く過ごしや […]
第四百七十八夜   顔を洗い、身支度を整えて自室を出ると、隣室の扉が開いたまま、中からごそごそと人の動く気配がした。 通りがかりに中を覗くと、箪笥の前にしゃがみ込んだ寮長が紙袋にその中身を詰めている。 ――ああ […]
第四百七十五夜   学校の補修から帰宅して直ぐ洗濯機に水を張り、脱いだ衣類を放り込んでそのまま浴室に入った。夏に外を歩くと散歩程度でもシャツを絞れるくらい汗を掻くもので、着替えぬまま過ごしていると生乾きの匂いに […]
第四百六十七夜   仕事帰りに立ち寄った駅前のスーパーを出て、住宅地へ続く道を数分歩くともう人気は殆ど無くなり、静かに湿った夜道がLEDの街灯をぬらりと反射しているばかりとなった。 これだけ交通量の無い中ならと […]
第四百六十五夜   疫病騒ぎの運動不足解消にと冬頃始めた早朝のジョギングを、気温の上がり人の増える前にと日の出に合わせていたのだが、もう夏至も間近とあって四時には目覚ましを止めて支度をしなければならなくなった。 […]
第四百五十七夜   夕食を終えてソファ・ベッドに横になり、同じく夕食を終えてご満悦の飼い猫を腹の上に載せながらテレビの映画を眺めていた。 映画がコマーシャルに入ってこの機に便所へと思い、猫を抱き上げて退かして洋 […]
第四百五十四夜   大型連休の開けた朝、連休中に溜まった生ゴミをようやく捨てられると、昨夜中に纏めて土間に置いておいたゴミ袋を手に玄関を出ると、お隣さんも丁度同じ様に共用廊下へ現れたところだった。 派手な顔立ち […]
第四百五十三夜   高校から出された大型連休中の課題プリントを、テスト前に復習するために複写しておこうと思い立って近所のコンビニエンス・ストアへ向かう。 近所といってもマンションの玄関口を出て小道を一本挟んだ隣 […]
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