第六百三十七夜   そろそろ片付けて帰ろうかと思っていたところ、今日は半休でいいと伝えてあった部下が戻ってきた。昼過ぎに仕事中に突然大家から電話が掛かってきて、借りている部屋に泥棒が入ったとかで事情聴取やらにい […]
第六百三十五夜   乾いた北風に吹かれながら今日も通学のため自転車を飛ばして住宅街の外れにある自宅から最寄りの駅へ向かう途中、割と新しい小さなマンションとその向かいの駐車場に挟まれた路上に数台の警察車輌が停まっ […]
第六百三十四夜   正月ボケがまだ抜けきらず、たまの休日くらいは昼前まで寝て過ごしたいと暖かな布団の中でささやかな幸福を味わっていると、ナントカさんから電話だと言って子機を持った母が部屋を訪ねてきた。 別に珍し […]
第六百三十三夜   数年に一度と報じられる寒波の中、強い北風に吹かれながら首を窄めて帰宅した夜勤明け、自宅に着くと門の前は勿論、猫の額ほどの庭にまでゴミが吹き寄せられていた。 枯れ葉の類ならまだ良いが、コンビニ […]
第六百三十二夜   私の通う小学校は創立百周年を超える古いもので、いわゆる学校の七不思議がたくさんある。七つどころか両手両足の指でも足りなくて、もうどれが元々の七不思議なのかわからない。七不思議なのに「たくさん […]
第六百三十一夜   私の通う小学校は創立百周年を超える古いもので、いわゆる学校の七不思議がたくさんある。七つどころか両手両足の指でも足りなくて、もうどれが元々の七不思議なのかわからない。七不思議なのに「たくさん […]
第六百三十夜   放課後、体操服に着替えて校庭へ出ると、暫く部活を休んでいた友人が爪先を地面に付けてぐるぐると足首を回していた。 「もう良くなったの?」 と後ろから声を掛けると彼女は振り向いて頷き、 「お陰様で […]
第六百二十八夜   夕食の片付けを済ませた後、軽い晩酌の肴に映画を見ていると、いつの間にウトウトしていたらしく、気が付けば画面にはエンド・ロールが流れていた。年始の初出勤が鈍った身体に堪えたのだろう。 その疲れ […]
第六百二十七夜   正月明けの登校初日、退屈な新学期の始業式に続いてホームルームで冬休みの課題を提出し、晴れて下校時間になった。 幼馴染の友人と共にお喋りをしながら校門を出ると、 「そうそう、朝のアレ、何なのか […]
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