第三百四十七夜   例年ならば潮干狩りの盛んな時期なのだが、市がコロナ・ウィルス対策で海浜公園を立ち入り禁止にした。 今日は我が家がその周囲を「朝の散歩」する当番で、ものぐさよりは感染への恐怖心で散歩を拒否した […]
第三百四十六夜   映画を観ながら一人だらだらと夕食を食べた。他人との接触をなるべく避けるためには仕方がないが、なんとも寂しい、一人住まいの夜の過ごし方だ。 映画を観終わって洗い物を済ませ、そろそろ寝ようかと、 […]
第三百四十五夜   母にメモと財布とを渡されて、家から徒歩十分ほどの距離にある駅前のスーパ・マーケットへ自転車で買い物に出掛けた。 マンションの駐車場で縄跳びやバドミントンを楽しむ小学生らを横目で見ながらペダル […]
第三百四十三夜   二日ぶりに食料を買いに出掛けるついでに、鈍った身体を動かそうと普段訪れることのない方面へ足を向けてみた。 幹線道路に出ても通る車は多くなく、大型のトラックまばらに走るばかりだ。これが非常事態 […]
第三百四十夜   朝食を終えて洗い物に掛かる妻にへ、 「では、行ってきます」 と手を振って、玄関の自転車を担いで家を出た。四月からの新居候補の幾つかを、サイクリングがてら回ってこいという命令である。 お互い子供 […]
第三百三十八夜   暇なバイト仲間で集まって酒を飲むことになった。暇というのは事実でありつつ、バイト仲間の気になる子を呼んで仲良くなろうという魂胆で、家主である女友達と共謀して互いに意中の相手を誘ったわけだ。 […]
第三百三十五夜   ガサゴソと周囲が騒がしくて目を覚ますと、カーキ色のドーム型の天井が目に入る。寝惚けた目を擦ろうと動かした腕が寝袋に阻まれて、昨日からキャンプに来ていたのを思い出す。 もぞもぞと動いた私に気付 […]
第三百三十四夜   乗降客のほとんどいない改札を抜け、車両で見つけた同級の友人二人と並んで、学校へ向かって歩き始める。真っ昼間の通学路を歩くのが初めてたからだろう、新鮮さと居心地の悪さを感じる。 期末試験の採点 […]
第三百三十三夜   ドライヤの温風を髪に当てながら、バッサリと切ってしまおうかと鏡を見つめる。 どうせ学校は四月の新学期まで始まらないし、友達と何処かへ遊びに出掛けるというのも色々と不安だし親も良い顔をしない。 […]
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