第六百二十八夜   夕食の片付けを済ませた後、軽い晩酌の肴に映画を見ていると、いつの間にウトウトしていたらしく、気が付けば画面にはエンド・ロールが流れていた。年始の初出勤が鈍った身体に堪えたのだろう。 その疲れ […]
第六百二十七夜   正月明けの登校初日、退屈な新学期の始業式に続いてホームルームで冬休みの課題を提出し、晴れて下校時間になった。 幼馴染の友人と共にお喋りをしながら校門を出ると、 「そうそう、朝のアレ、何なのか […]
第六百二十五夜   しばらくぶりの雪道を慎重に運転したため、実家に到着したのは予定を一時間ばかり遅れ、冬至から間もない陽が傾き始めた頃だった。帰省はかれこれ三年ぶりだから、久し振りに孫達を見た父と母とは、 「大 […]
第六百二十四夜   寂しい者同士が三人で映画でも見ながらケーキをつつこうと友人のアパートへ集まった。各々が気を利かせて持ち寄った酒と甘味とを合わせるとなかなかの量になり、さながらカロリーの過剰摂取大会である。 […]
第六百二十三夜   友人に夜釣りへ誘われて釣り道具一式を揃え自宅に待機していると、彼からもうすぐ着くとメッセージが来た。彼との釣りはいつも、運転を趣味の一つにしている彼が車で迎えに来てくれるのだ。 防寒具を着込 […]
第六百二十夜   何やら冷たいものが頬を撫でる感触で目が覚めた。猫が朝飯をねだりにでも来たろうかと思うが、それにしては感触が冷たい。ならばカーテンが風に吹かれ頬を掠めて揺れているのだろうか。いや、師走も半ばにな […]
第六百十九夜   担任から、娘の通学路について一斉メールで連絡が来た。年末が近付いて気の緩む時期、四月に届け出たそれから大幅に逸れて寄り道をする子供が増えるので、各家庭で適切な指導をとのことだった。 中学生なが […]
第六百十八夜   定期試験の最終日、試験後のホームルームで担任が、五名ほどアルバイトを雇いたいというので立候補した。在校生の定期試験の終わった明日からは中等部の推薦入試が始まるそうで、そのために各教室の机を運び […]
第六百十七夜   夕飯の後の洗い物を終えて風呂を洗っていると、母が犬の散歩から帰ってきた。我が家では犬の散歩は交代制で、夕食後に散歩へ連れて行った者が一番風呂に入る決まりになっている。普段なら帰宅に間に合うつも […]
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