第六百五夜   夕食後の片付けをしていると水がすっかり冷たく、約半年ぶりに手が悴んでしまった。 夏場は湯槽に浸かる習慣がないのだが、そろそろ身体を温めて寝る時期かと湯槽の底に栓をして給湯器を操作して卓袱台の前の […]
第六百夜   ちょっとしたトラブルに巻き込まれ、いつもより晩くに帰宅すると、マンションの玄関の様子が変わっていた。植え込みにはカボチャのランタンを模した電灯が置かれ、入り口周辺のガラス壁には画用紙に描かれた可愛 […]
第五百九十七夜   保育所から娘の手を引いて帰宅し、夕飯の下ごしらえをしていると、妻から後三十分ほどで帰宅する旨の連絡が入った。 それなら帰宅を待って一緒に食べようと娘に告げると彼女は力一杯に頷いて、何を思い付 […]
第五百八十九夜   今年は久し振りに行動制限の無いお盆だからと父が煩く、世の帰省ラッシュが済んでから多少安く、また人も少なくなったであろう夜行バスで実家に帰った。時期に自由が利くのが学生の楽なところで、金銭に自 […]
第五百八十五夜   夜の日課のジョギングを早めに片付け、風呂で汗を流してさっぱりした体に冷房の冷気を浴びながら、簡単な夕食を片手にモニタでドラマを見ながら休日の夜を過ごしていた。 元々が出不精の人見知りなもので […]
第五百八十四夜   夕食を終えて蒸し暑い自室で勉強をしていると、妹が藁半紙を片手に部屋を訪ねてきた。 何の用かと尋ねるとその藁半紙を示し、来週から三泊四日で部活の合宿が始まるのだと言って難しい顔をする。それでピ […]
第五百八十一夜   相変わらずのテレワークで自室にてPCのキィボードを叩いていると、いつの間にかパタパタとベランダを雨の叩く音がしていた。夕立と呼ぶには少々日が高いが、朝方見た天気予報では夕立、雷雨を警告してい […]
第五百八十夜   数日降り続いた雨から一転して猛暑日となった日の深夜、あまりの蒸し暑さに体が火照って目が覚めた。節電のため適当な時間で冷房が切れるようにタイマを設定していたのが仇となったか。 布団には湿気ととも […]
第五百七十夜   顧問が急病で部活が半分休みになった土曜の午後、部活仲間と高校近くで急に出来た暇を潰して最寄り駅へ帰ってくると、ちょうど辺りは夕焼けに染まっていた。 額に手を翳して西日に目を細めながらロータリィ […]
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