短編 Archives - 4ページ目 (58ページ中)

第七百九十六夜　私の通う小学校は創立百周年を超える古いもので、いわゆる学校の七不思議がたくさんある。七つどころか両手両足の指でも足りなくて、もうどれが元々の七不思議なのかわからない。七不思議なのに「たくさ […]

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第七百九十五夜

橘偲 -

8月 15

第七百九十五夜　「ちょっと、タオルを持ってきてもらえませんか」と玄関からの外から声が掛かって振り返ると、外回りから戻ってきた営業が扉の前で立ち止まり、首に掛けたタオルで髪や顔を拭きながらこちらを見詰めて […]

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第七百九十四夜

橘偲 -

8月 11

第七百九十四夜　立秋を過ぎたばかりの盆休みのはじめ、朝からカメラを持って上野の不忍池へ蓮の花を撮りに向かった。昭和に取り残されたような下町の住宅街からそこまでは自転車で二十分ほど、家を出て陽射しの強さ、空 […]

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第七百九十三夜

橘偲 -

8月 8

第七百九十三夜　週末の家事仕事を一通り片付けた土曜、まだ暗く成りきらぬ夕方の終わり際から、配信サービスの映画を観ながら簡単なツマミで酒を飲んでいた。と不意に視界の隅がちらつく。暫く様子をうかがうに、眺める […]

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第七百九十二夜

橘偲 -

8月 4

第七百九十二夜　朝日の焼け付く小さなベランダへ洗濯物を干し終わり、気温の上がりきる前に買い出しへ出ようと着替えを始めたところへ、大学時代の後輩から電話が掛かってきた。　在学中から何故かなつかれて、卒業後 […]

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第七百九十一夜

橘偲 -

8月 1

第七百九十一夜　高校入学後初めての夏休みも、早二週間が過ぎた。今日からは三泊四日の合宿で、一年は午前中の練習を早抜けして家庭科実習室で食事を準備する。二年生の当番が指示を出しながら簡単な昼食を作るのだが、 […]

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第七百九十夜

橘偲 -

7月 28

第七百九十夜　肌にまとわりつく熱い空気に汗を拭いながら駅に付くと、改札へ向かう階段に人だかりができていた。事故でもあったかと自転車を押しながら送ってきてくれた友人と顔を見合わせていると、駅員の持つ拡声器か […]

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第七百八十九夜

橘偲 -

7月 25

第七百八十九夜　商談を終えた取引先からの帰り道、駅前からほんの五分の間に上司ともども汗だくになりながらプラットフォームに付くと、電車を待つ間に、「商談成立のお祝い」と言って自動販売機のスポーツ・ドリン […]

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第七百八十八夜

橘偲 -

7月 21

第七百八十八夜　最寄りの駅から私鉄や旧国鉄を乗り継いで一時間半掛けて辿り着いた駅前は観光地らしく開発されていた。が、そこから持参した自転車に乗って山道の入口を目指すと、辺りに昔ながらの山村らしい農地と作業 […]

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