第七百四十七夜    在宅ワークを終えて夕飯の買い物から帰り、いつもの習慣で郵便受けを覗くと、宅配の不在票が入っていて首を傾げた。郵便受けは毎日カラにしているし、今日は一日中在宅で、呼び鈴が鳴らされていれば気が […]
第七百四十一夜    昼休みに外食から戻ってきた同僚が、小さな香水の瓶の入ったピンク色のラバーケースを指に引っ掛けて揺らしながらデスクに戻ってきた。スーツに身を包んだ巨体にまるで似合っていない。  それを見た後 […]
第七百三十三夜    目が醒めて枕元の目覚まし時計を確かめると、既に十時を回っていた。まあ先程眠りに就いたのが朝方の五時頃だったから仕方がない。普段なら遅刻だと慌てるところだが、インフルエンザで出勤停止なのだか […]
第七百二十八夜    息子の通う保育園が冬休みの直前に、クリスマス会をやるというので妻と三人で手をつなぎながら家を出た。古くからあるキリスト教系の幼稚園で、昔からクリスマス前の土曜には賛美歌を歌い、キリスト誕生 […]
第七百七夜   息子の初めての運動会、ハンディ・カムを持って妻と近所の公園へ行った。土地の狭い住宅街の比較的新しい幼稚園故に十分な園庭が無く、駅前の大きな公園を市に借りて行うのだ。 朝から設営を手伝い、息子の姿 […]
第七百五夜   撮れない写真 バイトの休憩時間になり、トイレへ立ち寄ってからバックヤードに戻ると、オーナー夫妻がパソコンの前でモニタを眺めながらしきりに首を捻っていた。 こちらに気付いた奥さんから賄い代わりのお […]
第六百九十九夜   電車を降り、改札を出ると駅前のアスファルトが湿っていた。どうやら珍しく夕立でも降ったようだ。 ところどころの凹みにできた水溜まりを踏まぬよう歩いて、夕飯を買いに駅前の量販店へ入る。温度も湿度 […]
第六百九十五夜   暦の上では秋ながらまだまだ猛暑日の続く早朝、まだ気温の上がらないうちに家を出た。それでもなお、駅に着いてホームへ上がる頃には額から汗が流れるから参ってしまう。 肩掛けの鞄を浮かせ、尻のポケッ […]
第六百九十一夜   駅前の大きな公園で花火がしたいという子供達の付き添いからの帰り道、同じ方面の最後の子との別れ際に 「じゃあ、うちはこっちだから、またね」 と言ってコンビニエンス・ストアの角を折れた。 すると […]
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