第二百十六夜/h3>   排気ガスを浴びながら、深夜の街道沿いを歩いている。部下に相談があると請われて閉店間際まで酒と愚痴とに付き合わされた帰り道だ。部下は晩くまである公営鉄道の最終電車に間に合ったが、こ […]
第二百十五夜   深夜、麻雀に一区切りが付いたところで夜食を挟むことになった。 点数の最も沈んでいるものが近所のコンビニエンス・ストアへインスタント食品の買い出しに、二番目の私が湯を沸かして待機する役回りだ。 […]
第二百十四夜   公園に着いてベンチを覗くと、ストレッチをする同僚達の姿が見える。名前を呼ばれ、片手を上げて走り寄ると、今日集まる予定のある中で最後だというので、慌ててジャージを脱ぎ準備運動を始める。 会社の同 […]
第二百十三夜   買い物を終え、昼食に何を作ろうかと考えながら海岸線の道を走っていると、前方の磯にちらちらと動くものがある。 少し近付いて、どうやら青い上着を着た子供のようだとわかるが、他に誰の姿もない。 この […]
第二百十二夜   珍しく定時に職場を出て帰宅し、鞄からキィ・ケースを取り出していると、家の中からジリリリリと、けたたましい金属音がする。火災報知器の類の、金属の皿を短い間隔で叩くようなベルの音で、玄関から入って […]
第二百十一夜   正月最初の週末の夜道はいつもに増して人気が無い。新年会からの帰途を独り歩く私の酒に火照った頬や首筋を、空気が冷たく撫でる。 暫し歩いてアパートの入口へ着くと自動販売機でスポーツ・ドリンクを買い […]
第二百十夜   大人達が年を越しても酒盛りを続ける居間から廊下を挟んだ客間に、独り布団を敷いて横になっている。枕の変わると寝付けぬ質で、それでもどうにかうつらうつらし始めたとき、瞼の向こうがぱっと明るくなった。 […]
第二百九夜   仕事柄、初売りの三ヶ日は寝食の暇もない。それでも三年目となると要領が掴めているので、大掃除や衣食の用意を前倒しにすることで少しでも本番に余裕を持たせる策を講じられるようになった。 それでも天候の […]
第二百八夜   クリスマスの晩だというのに夜番で、詰め所に先輩と男二人で暇を持て余していた。 泥氏だってクリスマスくらいは仕事を休みそうなものだが、先輩に言わせると案外そうでもないそうだ。いくら仕事熱心でも泥棒 […]
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