第八百三十五夜    除夜の鐘の聞こえる店内で仕事をしていると、客に家族がやってきた。恥ずかしいからやめてくれと明るいうちに言い含めておいたのだが、きっと弟か父の提案だろう、母と三人揃ってやって来て、年越しそば […]
第八百三十四夜    実家に着いて荷物を置くなり、娘がリュックサックからシロクマのぬいぐるみを取り出して母に差し出す。つい先日のクリスマス会のプレゼント交換で貰ったものらしいのだが、 「中から人間の毛みたいなも […]
第八百三十二夜    冬休みに入ると直ぐに新幹線に乗せられて、妹と一緒に母方の祖父母の家へ預けられることになった。両親が共働きなので、二人の仕事納めまで昼間の面倒を見られなくなる故の措置だ。  着替えやら冬休み […]
第八百三十一夜    二学期の期末試験が終わった今日、終業式まで暫く授業が無くなるのに合わせて我が野球部の合宿が始まった。  乾いた北風に吹かれながら汗を掻いたが、試験までの二週間ほどで随分と体が鈍っているのが […]
第七百三十夜    そろそろ年賀状を用意しなければと思っていたところへ、もう十数年は会っていない古い友人から一枚の葉書が届いた。盆に親族が立て続けに亡くなったため、今年の年賀状は送らないと言う挨拶だった。  そ […]
第八百二十八夜    北風に肩を窄めながら帰宅して荷物を置き、何はともあれ風呂に湯を張った。北から強い寒気が南下しているそうで、今晩は今季で一番の冷え込みになると朝から予報が出ていた。それなりに着込んで出掛けた […]
第八百二十七夜    サークルの部室で年末最後のレポートを書き上げて伸びをすると、腹の中に溜まっていた何かの気体が移動して腹が鳴った。それを聞き付けた後輩の一人が、昼食時も過ぎていい頃合いだから食事に行こうと声 […]
第八百二十六夜    秋の陽は釣瓶落としと言うけれど、もう冬至も近付いて校門を出る頃には既に西の空が赤くなっていた。どんどん暗くなる山道を谷を一つ尾根を一つ越えなければならないと思うと漕ぐペダルに力が入る。   […]
第八百二十五夜    バイトを終え、事務所の一角をカーテンで区切っただけのロッカー・ルームへ入り、男性利用中のマグネット付きの札を脇のホワイト・ボードに貼り付けてカーテンを閉めた。制服のシャツを脱いでロッカーを […]
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