第八百五十二夜    春休みの宿題も早々に終えて暇をしている娘が本を読む傍らで仕事をしていると、突然部屋が暗くなり、パタパタと雨が窓を叩き始めた。同僚に離席を通知して洗濯物を取り込もうと席を立つと、娘も立ち上が […]
第八百五十一夜    少し遅い昼休みを取って職場近くにある量販店の大型店舗へ入ると、二階へ続くエスカレータの前に車止めが置かれ、店舗改装のために一階の食料品売場のみの営業だとの張り紙がされていた。昼食のついでに […]
第八百五十夜    居間の炬燵に教科書を広げて期末試験の勉強をしていると、玄関が開く音がした。気配から察するに、どうやら小一時間前に出掛けた父親が帰ってきたらしい。ゴルフの打ちっ放しへ行けば夕方まで帰らないのが […]
第八百四十九夜    祖父の何回忌だったか、疫病騒ぎもあって暫く振りに帰省した。法事も恙無く終え、雨の軒下で夕食後の一服に煙草を吸っていると、いつの間にケージから出たのか、連れてきた猫が家の灯りにうっすら照らさ […]
第八百四十八夜    仕事を終えたベテランのドライバが、何やら難しい顔をして事務所へ戻ってきた。お疲れ様と声を掛けると彼は生返事を返して棚から日誌を取り出し、いつものように応接テーブルで業務報告を書き始める。珈 […]
第八百四十七夜    学年末試験を終えて早々に帰宅し、風呂で花粉を落としさっぱりした気分で昼食をとっていると、帰宅した祖母がお菓子の箱を持ってきて居間のテーブルに置いた。近所の学校で半ばボランティアで花道を教え […]
第八百四十六夜    バイトを終えて帰宅すると、珍しく弟が既に帰宅していた。炬燵の天板に顎を乗せて、珍しくテレビのバラエティ番組を見ている。普段はそうしている私を馬鹿にする彼に、持ち帰った廃棄の弁当の好みを尋ね […]
第八百四十五夜    一週間ぶりに出社してきた同僚は、僅かな間に少々頬がコケてはいるものの、退院直後の割には随分と血色が良かった。  口々に大丈夫かと尋ねる同僚達への返事は、入院して退院してきたのだから以前より […]
第八百四十四夜    内見の後始末を終えて報告書を書き上げた部下が、 「例の部屋、いい加減お祓いとかして貰ったらどうですかね。大家さんを説得して」 と、普段より一段階低い声で提案の態をとった要求をしてきた。その […]
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