第八百三十六夜    正月休みに帰省して二日目の大晦日の夜、除夜の鐘を聞きながらテレビの年越し番組を観るともなく観ていると、 「あんた、もう十一時を回るから、さっさとお風呂、入っちゃいなさい」 と母に急かされた […]
第八百三十五夜    除夜の鐘の聞こえる店内で仕事をしていると、客に家族がやってきた。恥ずかしいからやめてくれと明るいうちに言い含めておいたのだが、きっと弟か父の提案だろう、母と三人揃ってやって来て、年越しそば […]
第八百三十四夜    実家に着いて荷物を置くなり、娘がリュックサックからシロクマのぬいぐるみを取り出して母に差し出す。つい先日のクリスマス会のプレゼント交換で貰ったものらしいのだが、 「中から人間の毛みたいなも […]
第八百三十三夜    出動先から先輩が戻ってきた。労いの言葉を掛けながら彼のマグカップにインスタントの珈琲を淹れて机に置く。手洗いとうがいを済ませた彼はひとこと礼を言ってちびりとっ口を付け、冷えた手でマグを包む […]
第八百三十二夜    冬休みに入ると直ぐに新幹線に乗せられて、妹と一緒に母方の祖父母の家へ預けられることになった。両親が共働きなので、二人の仕事納めまで昼間の面倒を見られなくなる故の措置だ。  着替えやら冬休み […]
第八百三十一夜    二学期の期末試験が終わった今日、終業式まで暫く授業が無くなるのに合わせて我が野球部の合宿が始まった。  乾いた北風に吹かれながら汗を掻いたが、試験までの二週間ほどで随分と体が鈍っているのが […]
第七百三十夜    そろそろ年賀状を用意しなければと思っていたところへ、もう十数年は会っていない古い友人から一枚の葉書が届いた。盆に親族が立て続けに亡くなったため、今年の年賀状は送らないと言う挨拶だった。  そ […]
第八百二十九夜    学校から帰って玄関の扉を引くと、予想に反して鍵が掛かっていて小さくつんのめった。のめりながら朝の母の言葉を聞き流していたのを思い出す。夕方に用事があって出掛けるるから、塾へ行く前に冷蔵庫の […]
第八百二十八夜    北風に肩を窄めながら帰宅して荷物を置き、何はともあれ風呂に湯を張った。北から強い寒気が南下しているそうで、今晩は今季で一番の冷え込みになると朝から予報が出ていた。それなりに着込んで出掛けた […]
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