第八百四十七夜    学年末試験を終えて早々に帰宅し、風呂で花粉を落としさっぱりした気分で昼食をとっていると、帰宅した祖母がお菓子の箱を持ってきて居間のテーブルに置いた。近所の学校で半ばボランティアで花道を教え […]
第八百四十六夜    バイトを終えて帰宅すると、珍しく弟が既に帰宅していた。炬燵の天板に顎を乗せて、珍しくテレビのバラエティ番組を見ている。普段はそうしている私を馬鹿にする彼に、持ち帰った廃棄の弁当の好みを尋ね […]
第八百四十五夜    一週間ぶりに出社してきた同僚は、僅かな間に少々頬がコケてはいるものの、退院直後の割には随分と血色が良かった。  口々に大丈夫かと尋ねる同僚達への返事は、入院して退院してきたのだから以前より […]
第八百四十四夜    内見の後始末を終えて報告書を書き上げた部下が、 「例の部屋、いい加減お祓いとかして貰ったらどうですかね。大家さんを説得して」 と、普段より一段階低い声で提案の態をとった要求をしてきた。その […]
第八百四十三夜    まだ水気の抜けきらないまま薄手の上着を羽織り、玄関を出て自転車に跨って夜道を走る。風呂上がりに飲む缶珈琲を切らしていたのに気付いたのはバスタオルで身体を拭いているときだった。  まだ一月と […]
第八百四十二夜    大学受験のために東京近郊の親戚の家へ泊まることとなった。都心まで電車で四十分ほどで、試験前によく目を覚ましておくにはちょうどいいくらいの距離といえるだろうか。  最寄り駅の駅前は結構キレイ […]
第八百四十一夜    同棲している彼女が仕事から帰ってきて、風呂に入っている間に夕食を作る。葉物野菜の値が漸く落ち着いてきたので、今日はコラーゲンたっぷりの鶏鍋である。  タオルを頭に巻いて上がってきた彼女は鍋 […]
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