第五百五十四夜   憂鬱な月曜の朝の事務所にて、珈琲を淹れて席に戻ると始業までまだ十分程の時間があった。普段なら周囲と雑談でもしながらニュース・チェックをするのだが、右手の座席に座る同僚を見てすっかり興味がそち […]
第五百五十二夜   校庭から体育館、プールの順に回り、最後に部室棟を案内してもらい、運動部の部活案内は解散となった。文化部の案内は明日、体験入部は明後日からの予定で、私を含む新入生五十人は帰宅のために各自の荷物 […]
第五百夜   春合宿の最終日の夜、夕食を終えた後の自由時間も三日目となると疲労も溜まり、各自持ち寄ったカード・ゲームやボード・ゲームの類にも皆飽き始めていた。 消灯時間までまだ間があるがそろそろ寝ると誰かが言い […]
第五百四十八夜   モニタと、その脇のブックス・タンドに置いた書類とを見比べながらキィを叩きつつ、ふと傍らに置いたマグカップを眺めると既に珈琲が底を突いていた。 切りの好いところまで終わったら一休みすることにし […]
第五百四十五夜   夕刻、習い事から帰宅した娘が居間を通り掛かると、肩口で切りそろえた髪がやけにぼさぼさと乱れていた。 つい先日、春一番が吹いたという話は聞いたけれど、午前中に妻の買い物に車を出したときには穏や […]
第五百四十三夜   ハンカチで手を拭きながらトイレから出て売店を見ると、結構な人数が並んでいた。トイレでも少々時間を食ったものの、まだ多少の余裕はある。遅くとも本編前の広告の途中では戻れるだろう。 スマート・フ […]
第五百四十二夜   マニュアル通りに本社への連絡等を終え漸く一心地着いて珈琲を淹れ、傍らの警官達に一杯どうかと勧めると案の定「勤務中だから」と断られた。 案の定というのは、私が彼等の元同業者だからのことで、彼等 […]
第五百四十一夜   折角の休日だというのに寝覚めの悪い朝だった。十年ほど前に老衰で死んだ犬が夢に出たのだ。いや、ただ夢に出るだけならば何の問題もないどころか、内容に依っては嬉しいくらいのことなのだが、内容がよろ […]
第五百四十夜   「ようやく春らしい陽気に恵まれるでしょう」との気象予報士の言葉を信じ、朝食を済ませて直ぐ一週間の洗濯物をやっつけてベランダに干すと、ここのところ続く窮屈な日常の息抜きにとドライブに出掛けた。 […]
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