第六百三十三夜   数年に一度と報じられる寒波の中、強い北風に吹かれながら首を窄めて帰宅した夜勤明け、自宅に着くと門の前は勿論、猫の額ほどの庭にまでゴミが吹き寄せられていた。 枯れ葉の類ならまだ良いが、コンビニ […]
第六百三十二夜   私の通う小学校は創立百周年を超える古いもので、いわゆる学校の七不思議がたくさんある。七つどころか両手両足の指でも足りなくて、もうどれが元々の七不思議なのかわからない。七不思議なのに「たくさん […]
第六百三十一夜   私の通う小学校は創立百周年を超える古いもので、いわゆる学校の七不思議がたくさんある。七つどころか両手両足の指でも足りなくて、もうどれが元々の七不思議なのかわからない。七不思議なのに「たくさん […]
第六百三十夜   放課後、体操服に着替えて校庭へ出ると、暫く部活を休んでいた友人が爪先を地面に付けてぐるぐると足首を回していた。 「もう良くなったの?」 と後ろから声を掛けると彼女は振り向いて頷き、 「お陰様で […]
第六百二十九夜   リサイクル・ショップを経営している友人に新年会だと呼ばれ、閉店前の店へ呼ばれた。蛍の光の流れる店内に入ると既に人気はなく、友人がレジで一人締めの作業をしている。他の連中は未到着のようだ。 声 […]
第六百二十八夜   夕食の片付けを済ませた後、軽い晩酌の肴に映画を見ていると、いつの間にウトウトしていたらしく、気が付けば画面にはエンド・ロールが流れていた。年始の初出勤が鈍った身体に堪えたのだろう。 その疲れ […]
第六百二十七夜   正月明けの登校初日、退屈な新学期の始業式に続いてホームルームで冬休みの課題を提出し、晴れて下校時間になった。 幼馴染の友人と共にお喋りをしながら校門を出ると、 「そうそう、朝のアレ、何なのか […]
第六百二十五夜   しばらくぶりの雪道を慎重に運転したため、実家に到着したのは予定を一時間ばかり遅れ、冬至から間もない陽が傾き始めた頃だった。帰省はかれこれ三年ぶりだから、久し振りに孫達を見た父と母とは、 「大 […]
第六百二十四夜   寂しい者同士が三人で映画でも見ながらケーキをつつこうと友人のアパートへ集まった。各々が気を利かせて持ち寄った酒と甘味とを合わせるとなかなかの量になり、さながらカロリーの過剰摂取大会である。 […]
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