第七百十九夜    昼の最も混み合う時間を避けて少し遅い昼食をとりに学食へ向かうと、サークルの先輩が一人で座ってサンマを突いていた。挨拶をして隣の席に荷物を置かせてもらい熱いうどんをトレイに載せて戻ってくると、 […]
第七百十八夜    最寄り駅で集合した同僚達と共に病室へ入ると、奥様が丁寧に出迎えてくれた。昨日、上司が虫垂炎、いわゆる盲腸で緊急手術をしたので、皆で申し合わせて見舞いに来たのだ。  見舞いのあれこれを受け取り […]
第七百十六夜   友人と二人で映画を見に行き、ホット・スナックと飲み物を手に席に着くと、互いに荷物番をして用を済ませた。二人揃って時刻を確認すると、上映が始まる迄まだまだ余裕がある。時間に追われるのが嫌いな性分 […]
第七百十五夜   大風の後片付けに男手が欲しいと実家に請われ、祝日前の夜に車を走らせて帰省した。 疲れているから明日の片付けのために早く寝たいというのを父に止められ、晩酌に付き合わされる。傍らではテレビの特番で […]
第七百十四夜   夕食前には戻るからと姉がぞんざいに、宜しくお願いしますと丁寧に義兄が言い、二人はアパートの外に停めた車に乗り込んで出掛けて行った。あとに残されたのは私と私の猫と、来年小学校に入る二人の娘だ。 […]
第七百十三夜   昼休みの休憩に入ってPCをスリープさせ、昼食は何が好いかと隣の息子に尋ねる。インフルエンザのために学級どころか学年閉鎖となり、タブレットに送られてきた課題をサボらぬよう隣に座らせていたのだ。 […]
第七百十二夜   ハロウィンの晩、普段よりは早く帰宅した夫を黒いとんがり帽子とマントとで仮装した娘が出迎えると、彼は手に持った洋菓子の箱を笑顔で娘に渡した。帰り際に何かしら買ってくるように言ったのを、珍しく忘れ […]
第七百十一夜   前日から続く秋雨を横目にデスクで弁当を突いていると、既に食事を終えた上司が湯呑を手に給湯室から戻ってきた。元々が早食いな上、メタボ改善のために奥様お手製の小さな弁当以外を禁じられているそうで、 […]
第七百十夜   秋の長雨がようやく上がった週末、溜まった洗濯物と布団を狭いベランダに干し、圧力鍋に今後数日分の夕飯となる予定のカレーを仕込んで家を出た。普段なら一週間分の食料の買い貯めのための買い物なのだが、今 […]
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