第七百八十九夜    商談を終えた取引先からの帰り道、駅前からほんの五分の間に上司ともども汗だくになりながらプラットフォームに付くと、電車を待つ間に、 「商談成立のお祝い」 と言って自動販売機のスポーツ・ドリン […]
第七百七十六夜    目が覚めると低く唸る機械音と床の揺れに辺りを見回し、直ぐに自分が船に乗っていることを思い出した。仕事で飛行場の無い離島へ一晩掛けて向かうフェリーの中、雑魚寝で床に押し付けられていた側の尻や […]
第七百六十五夜    連休の谷間のある日、講義の時刻に間の空いた者がサークルの部室に数名集まった。各々、スマート・フォンでゲームをしたり、課題を片付けようとコピーしたテキストにマーカとペンとで何やら書き込んだり […]
第六百五十二夜   山桜の名所にほど近い温泉宿を独り訪れた。仲居の勧めるままに頼んだ地酒で気分の良くなったところで部屋を出て時限の迫った大浴場に入ると、日中桜見物に歩き回った疲れが身体の中でどろどろに溶けたよう […]
第六百四十七夜   私の務める小さな会社では、毎年十月の初旬に社員旅行がある。毎年三月の半ばにある繁忙期を乗り越えると社長が誰かしらを責任者に任命し、三月中に二泊三日の計画を立てさせる。今年の責任者は三年前に入 […]
第六百二十二夜   ネットで見付けたちょっと凝ったレシピがちょうど冷蔵庫の中身で作れることに気が付いて、少々早めに昼食の準備に取り掛かった。下拵えを終えて鍋を火に掛けて掻き混ぜると、レシピを表示させて傍らに置い […]
第五百七十一夜   メッセージ・アプリのグループチャットに、サークルの院生の先輩からお土産を買ってきたという連絡が入った。授業に隙間が空いていて図書館で課題でもと思っていたが、折角だからとサークル室へ顔を出すと […]
第四百五十五夜   大型連休の終わり際、彼女に何処へも出掛けられていないと文句を言われた。疫病騒ぎももう丸一年、ストレスが溜まっているのだろう。 とは言えわざわざ人混みへ入って病気を貰いに出掛けるのも馬鹿馬鹿し […]
第四百十九夜   正月だからといって特にすることもなく、かといって出掛けるのも憚られ、本棚に並んだ本を適当に手に取っては目を通して過ごしている。 元々目の早い質で、しかも一度は読んだことのある本ばかりだから、中 […]
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