第七百十三夜   昼休みの休憩に入ってPCをスリープさせ、昼食は何が好いかと隣の息子に尋ねる。インフルエンザのために学級どころか学年閉鎖となり、タブレットに送られてきた課題をサボらぬよう隣に座らせていたのだ。 […]
第七百十二夜   ハロウィンの晩、普段よりは早く帰宅した夫を黒いとんがり帽子とマントとで仮装した娘が出迎えると、彼は手に持った洋菓子の箱を笑顔で娘に渡した。帰り際に何かしら買ってくるように言ったのを、珍しく忘れ […]
第七百十一夜   前日から続く秋雨を横目にデスクで弁当を突いていると、既に食事を終えた上司が湯呑を手に給湯室から戻ってきた。元々が早食いな上、メタボ改善のために奥様お手製の小さな弁当以外を禁じられているそうで、 […]
第七百十夜   秋の長雨がようやく上がった週末、溜まった洗濯物と布団を狭いベランダに干し、圧力鍋に今後数日分の夕飯となる予定のカレーを仕込んで家を出た。普段なら一週間分の食料の買い貯めのための買い物なのだが、今 […]
第七百九夜   実験で帰宅の遅くなった夜、人気のなくなって少々気味の悪い構内を抜け、線路沿いを駅に向かっって歩いているとなんだか周囲の様子が普段と違うのに気が付いた。踏切に差し掛かると、そこへ向かう道に車が渋滞 […]
第七百八夜   電気街でPCのパーツを買ってそろそろ帰宅しようかという折、空がにわかに掻き曇って大粒の雨が落ちてきた。秋分を過ぎて久しいというのにまるで夕立だ。雨具の用意も無く、買ったばかりの荷物を濡らすわけに […]
第七百六夜   趣味のボウリングにふらりと出掛け、幸いというべきか予想通りというべきか顔見知りの一団を見付けた。彼らのゲームが一区切り付くのを、ホット・スナックを肴に軽く飲みながら待っていると、これまた顔見知り […]
第七百五夜   撮れない写真 バイトの休憩時間になり、トイレへ立ち寄ってからバックヤードに戻ると、オーナー夫妻がパソコンの前でモニタを眺めながらしきりに首を捻っていた。 こちらに気付いた奥さんから賄い代わりのお […]
第七百四夜   仲の良い友人三人と連れ立って、学校見学を兼ねて某理系大学の学園祭にやってきた。案内のパンフレットを手に色々の勧誘を受けながら校舎を歩いていると、お化け屋敷の看板が目に入る。 最先端の科学を学問す […]
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