Posts in 橘 偲

小説記事

六百七十六夜

橘 偲 -
6月 25
第六百七十六夜   始業時間前に淹れたコーヒーを飲みながらデスクでニュース記事を眺めていると、珍しく遅めにやって来た部下の一人が慌て気味にデスクに着くのが目に入った。 ここのところ顔色が優れなかったこともあり、 […]
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第六百七十五夜

橘 偲 -
6月 22
第六百七十五夜   夏至が近付いて随分陽が長くなった。七時を回って尚薄明るい中を最寄り駅から自転車に乗って帰宅すると、先に帰宅して、犬とともに出迎えてくれた妻に元気がない。どうかしたのかと尋ねる私に、彼女は右手 […]
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第六百七十四夜

橘 偲 -
6月 18
第六百七十四夜   仕事の話を終えて荷物を片付けながら、間を埋める世間話に、 「あの、先程はご都合を考えずにお電話差し上げてしまって失礼致しました」 と今更ながら謝罪をした。遡ること三時間ほど、打ち合わせに先立 […]
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第六百七十三夜

橘 偲 -
6月 15
第六百七十三夜   宿泊学習で県内の湖畔の県営施設に宿泊し、早朝に起きて霧雨の中のラジオ体操を終えるとすっかり身体が冷えていた。食堂へ移動して温かいスープを飲むと、腹に収まった熱がじわじわと手脚へ広がって行くよ […]
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第六百七十二夜

橘 偲 -
6月 11
第六百七十二夜   気象庁が梅雨入りを発表した週の休日、朝食を摂りながら見た天気予報で「今日は貴重な晴れ間」と言うのを聞き、溜まっていた洗濯物に手を付けることにした。 アパートから徒歩三分ほどの位置にあるコイン […]
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第六百七十一夜

橘 偲 -
6月 8
第六百七十一夜   塾からの帰り道、駅前の繁華街を抜けて住宅街へ入ると、辺りが急に暗くなる。住宅街の端の団地住まいの友人がいて本当に良かった。 住宅街の中程、神社と元酒屋のコンビニエンス・ストアが並ぶ一角、小綺 […]
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第六百七十夜

橘 偲 -
6月 4
第六百七十夜   南方の台風が梅雨前線を刺激した嵐の中、各種警報にもめげず定刻まできっちり営業した我が店の閉店作業を終えてネット調べると、予想通りにバスの運行は休止していた。「こういう非常時に利用できてこそ、ホ […]
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第六百六十九夜

橘 偲 -
6月 1
第六百六十九夜   午前中に一仕事を終えると、取引先の偉い人に昼食をご馳走するといって近所の鰻屋に案内された。率いられるがままに席に就き、出されたおしぼりで手を拭きながら、彼の注文が終わるのを待つ。 注文を終え […]
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第六百六十八夜

橘 偲 -
5月 28
第六百六十八夜   中学の頃の部活の後輩と対戦していたネット・ゲームに一区切りがついた。当時同じカード・ゲームが好きで仲良くなって卒業後もたまに遊んでいた。多少疎遠になった時期もあったが、そのシリーズがネット上 […]
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