第四百四十八夜   緊急事態宣言が解け、久し振りに社会人サークルの仲間でキャンプ場に集まった。陽の落ちる前に作った夕食を平らげ、持参したアルコールを飲みながら洗い物を済ませると火を囲みながら談笑をして過ごし、さ […]
第四百四十七夜   「ちょっとトイレ」 と宣言して映画の再生を止めてもらって席を立った。午前中に買い物に出たときにはよく晴れて風もない行楽日和だったが、このご時世ではなかなか行楽という気にもならず、午後はこうし […]
第四百四十六夜   数カ月ぶりに緊急事態が解除され、久し振りにお茶のお稽古の案内が届いて、教室へお邪魔した。 お茶室に入ってまず驚いたのが、低い機械音を鳴らす空気清浄機で、 「換気をと言われても、お茶室では難し […]
第四百四十二夜   オンラインでの会議を終え、すっかり冷めた珈琲を淹れ直してパソコン・ラックへ戻ってくると、上司からの通話要求を知らせるサインが点灯していた。 慌てて通話を開始し、カップを見せながら待たせたこと […]
第四百四十一夜   母に呼ばれて居間の扉を開けると、焼きたてのホット・ケーキの香りが鼻腔をくすぐった。 妹と並んで食卓に座り、バターとメイプル・シロップを掛けてナイフで一口大に切り分けて口へ運んでいると、背後で […]
第四百四十夜   大きな浴槽にたっぷり張られた熱い湯に肩まで体を沈めると、冷え切った手足の末端へ湯の熱がじんじんと染み込んでくるようで、自然と溜息が出た。生き返るとはこのことか。そんな言葉に同僚から、まだ若いの […]
第四百三十九夜   数日ぶりに気持ちよく晴れた日曜の朝、春の長雨のために溜まってしまった洗濯物を午前中にやっつけてしまおうと、ベランダの物干しに洗濯物を吊るしていると、背後からインターフォンの呼び出し音が聞こえ […]
第四百三十八夜   荷物持ちを期待して買い物に連れて行った弟が帰り際、 「本屋に寄っていきたい」 と言いだした。目論見の外れたことを内心で嘆きつつ、生鮮食品の袋を受け取って一人家路を歩くことにする。 弟が大学進 […]
第四百三十七夜   カートに載せた一週間分の食糧を眺めながら、屋上の駐車場へ向かうエレベータの到着を待っていた。最近は運動不足を補うべく、多少のことなら階段を上り、自転車や自動車を避けて歩くことにしているが、流 […]
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