第七百八十二夜    夕食の時刻を回っても戻らないお客様がいるとのことで、お戻りになられたら直ぐにでも気が付くように外に出て、掃き掃除のフリでもしてソウスを見るようにと女将さんにいわれて外に出た。  今日は梅雨 […]
第五百三十四夜   早朝、朝日の照らす海が綺麗だと子供に起こされテントを出る。 小学校低学年で好奇心の塊のような弟に引き摺られ、海を見下ろす崖へと出ると、元々が低血圧の気のある姉が、父母のキャンプ趣味に付合わさ […]
第五百十三夜   仕事帰り、久し振りに酒をと誘ってきた同僚は、一杯目の生ビールをギュッと目を閉じて味わった後、開口一番、聞いて欲しい話があると言い、胸ポケットの財布から一枚の写真を取り出した。 曰く、疫病騒ぎの […]
第四百四十八夜   緊急事態宣言が解け、久し振りに社会人サークルの仲間でキャンプ場に集まった。陽の落ちる前に作った夕食を平らげ、持参したアルコールを飲みながら洗い物を済ませると火を囲みながら談笑をして過ごし、さ […]
第三百八十一夜   一人暮らしの一週間分の食料の買い出しに街へ行った帰り、もう陽も沈みかけて薄暗い谷沿いの道を車で走っていると、道の真ん中にうずくまる白い人影が見えた。 速度を落としながら近付くと、ライトの中に […]
第三百五十七夜   友人の経営する山の中のペンションに着くと直ぐ、彼の奥様の手作りというチーズ・ケーキで珈琲を飲みながら簡単な打ち合わせをした。 大型連休を疫病のために棒に振ったから、ここで何とか巻き返すために […]
第三百三十五夜   ガサゴソと周囲が騒がしくて目を覚ますと、カーキ色のドーム型の天井が目に入る。寝惚けた目を擦ろうと動かした腕が寝袋に阻まれて、昨日からキャンプに来ていたのを思い出す。 もぞもぞと動いた私に気付 […]
第二百八十四夜   やや肌寒く湿った空気は木々と土の香りがして心地よい。時折輝く灯り以外は本当に真っ暗闇の中、太腿を軋ませながらペダルを漕ぐ。 自転車が先かカメラが先か、趣味が昂じて連休には夜通し走って海や山を […]
第百二十一夜   週末というのにモヤモヤと気の晴れぬためか、洗濯を済ませたあと買い物を車に積んでの帰り道、ふとハンドルを切って山へ向かうことにした。ラジオのDJが庭の梅にメジロが来たと話すのを聴いて羨ましく思っ […]
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