第六百七十六夜   始業時間前に淹れたコーヒーを飲みながらデスクでニュース記事を眺めていると、珍しく遅めにやって来た部下の一人が慌て気味にデスクに着くのが目に入った。 ここのところ顔色が優れなかったこともあり、 […]
第六百六十一夜   とりたてて大型と言うほどでもない連休の初日の午前十時、母方の実家に到着して父の運転する車に深夜から半日ぶりに解放された。 家から祖母が出てきて両親と一言二言挨拶を交わし、皆でトランクから荷物 […]
第六百五十七夜   事務所を出て春雨のしとしとと降る中を小走りに駆け、倉庫の錠前を外して中に入ると、バケツから固く絞ったモップを手にとって掃除を始める。 うちは小道具貸しの小さな会社で、都からほど近い田舎に倉庫 […]
第六百十六夜   友人と二人連れで映画を見た帰り、夕食を摂るにはまだ早く解散するにはまだ早い。何か甘いものでも食べるのに良い店はないかと繁華街を並んで歩いていた。 暫く歩くと、髭を生やしナイト・キャップを被った […]
第六百六夜   家庭教師のバイト先に着くと、教え子がマスク越しにもわかる笑顔で出迎えてスリッパを用意してくれた。ここ数週間ほど妙に表情が暗くなっていて心配をしていたのだが、何か悩みでも解決したのだろうか。 スリ […]
第五百八十三夜   梅雨の戻りというのだろうか、暫く続いた雨が漸く止んで一転真夏の日差しとなった日の晩、そろそろ明日の仕事に差し支えるからと日課のジョギングに出た。外に出ると、地面が溜め込んだ水分が昼に温められ […]
第五百七十夜   顧問が急病で部活が半分休みになった土曜の午後、部活仲間と高校近くで急に出来た暇を潰して最寄り駅へ帰ってくると、ちょうど辺りは夕焼けに染まっていた。 額に手を翳して西日に目を細めながらロータリィ […]
第五百二十八夜   陽光が目に刺さって目を覚ますと、全身に軽い痺れのような感覚が有った。筋肉痛の先触れのような、こむら返りのおさまった後の疲労感がまだ筋肉に残っているような感覚だ。 はて、昨夜はそんな風になるま […]
第五百十五夜   棚に並んだ商品の写真を撮りながら、奇妙な事に気が付いた。 うちは小道具貸しの小さな会社で、都からほど近い田舎に倉庫を並べ、十数万店の小道具を管理している。時代ごとに形の変わる郵便ポストや公衆電 […]
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