第七百六十九夜   「お姉ちゃん大変!」 と、スマート・フォンの室の悪いスピーカから子供の金切り声が半ば音割れして鼓膜を刺した。小学生らしく朝からテンションが高いと評するべきか、自分も兄も割と子供の頃から朝は弱 […]
第七百六十八夜    二十二時まで一時間、店に着いてバックヤードで簡単な着替えを済ませ、店内に出る前に済ませておくべき仕事に取り掛かる。雑務は色々あるけれど、その多くは状況の動かない深夜になってから、お客の来な […]
第七百六十七夜    二日ぶりにすっきりと五月晴れの空の下、コンクリートに敷いたハンド・タオルの上に腰を下ろす。晴れた日には事務所の入ったビルの屋上でこうして日光浴を兼ねて昼食の弁当を食べるのが私の習慣となって […]
第七百六十六夜    何やら食欲をそそる香辛料の香りとともに、ジュウジュウとフライパンか何かでものを炒める音が聞こえて目が覚めた。眩しさに薄目を開けて首を巡らせると、台所とも呼べないような廊下の一角、小さな流し […]
第七百六十五夜    連休の谷間のある日、講義の時刻に間の空いた者がサークルの部室に数名集まった。各々、スマート・フォンでゲームをしたり、課題を片付けようとコピーしたテキストにマーカとペンとで何やら書き込んだり […]
第七百六十四夜    たまの休日に遅く起き、顔を洗ってさっぱりしたところで昼前から酒でもと冷蔵庫を開けて、酒のストックを切らしていたことに気が付いた。この小さな贅沢のツマミに昨晩、出来合いの惣菜を買っておいたの […]
第七百六十一夜    昼食から帰ってくると同僚から、 「あのカメラ、駄目だったみたいです」 と、写真屋のロゴの入った薄い封筒を渡された。何のことかとキヲクを辿りながら封筒を開けると、ネガの収められたビニル・シー […]
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