第八百五十四夜    四月からの新生活を前に最寄り駅から数駅の範囲でアルバイト先を探し、幾つかの候補に絞って面接を申し込んだ。春らしく日差しの暖かな午前十一時、自転車で二駅離れたカラオケ店へ向かうと、制服姿の店 […]
第八百五十三夜    トレイに載せたカップ二つを窓際の少女達へ運ぶと、 「ね、凄いの凄いの!今度こそ凄いの!」 と聞こえてきた。  私のバイト先であるこの店は大手チェーンに比べて値段が安く、彼女達のような学生服 […]
第八百五十二夜    春休みの宿題も早々に終えて暇をしている娘が本を読む傍らで仕事をしていると、突然部屋が暗くなり、パタパタと雨が窓を叩き始めた。同僚に離席を通知して洗濯物を取り込もうと席を立つと、娘も立ち上が […]
第八百五十一夜    少し遅い昼休みを取って職場近くにある量販店の大型店舗へ入ると、二階へ続くエスカレータの前に車止めが置かれ、店舗改装のために一階の食料品売場のみの営業だとの張り紙がされていた。昼食のついでに […]
第八百五十夜    居間の炬燵に教科書を広げて期末試験の勉強をしていると、玄関が開く音がした。気配から察するに、どうやら小一時間前に出掛けた父親が帰ってきたらしい。ゴルフの打ちっ放しへ行けば夕方まで帰らないのが […]
第八百四十九夜    祖父の何回忌だったか、疫病騒ぎもあって暫く振りに帰省した。法事も恙無く終え、雨の軒下で夕食後の一服に煙草を吸っていると、いつの間にケージから出たのか、連れてきた猫が家の灯りにうっすら照らさ […]
第八百四十八夜    仕事を終えたベテランのドライバが、何やら難しい顔をして事務所へ戻ってきた。お疲れ様と声を掛けると彼は生返事を返して棚から日誌を取り出し、いつものように応接テーブルで業務報告を書き始める。珈 […]
第八百四十七夜    学年末試験を終えて早々に帰宅し、風呂で花粉を落としさっぱりした気分で昼食をとっていると、帰宅した祖母がお菓子の箱を持ってきて居間のテーブルに置いた。近所の学校で半ばボランティアで花道を教え […]
第八百四十六夜    バイトを終えて帰宅すると、珍しく弟が既に帰宅していた。炬燵の天板に顎を乗せて、珍しくテレビのバラエティ番組を見ている。普段はそうしている私を馬鹿にする彼に、持ち帰った廃棄の弁当の好みを尋ね […]
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