短編 Archives - 夢千夜

第八百十三夜　郊外にある大型ショッピング・モールからの帰り道、「あれ、公衆電話だ。まだあるものなんだな」と運転席の夫が、顎を前に出した。その方向を見ればなるほど、横断歩道の階段の下に花を咲かせた夾竹桃 […]

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第八百十二夜

橘偲 -

10月 13

第八百十二夜　キャンプ趣味の友人達と三人で連れ立って山へ行こうと、車二台に分かれて金曜の深夜に高速道路を走った。運転免許は皆が持っているが、一人がバンを所有していて皆の荷物を詰め込めるので、人間が一人余る […]

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第八百十一夜

橘偲 -

10月 10

第八百十一夜　帰り道の量販店で何を買おうかと考えながら荷物を片付けていると、同じサークルの友人からメッセージ・アプリで連絡が来た。 ――今週の土日、どっちか暇だったりしない？後期から土曜は午前中だけ講義 […]

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第八百九夜

橘偲 -

10月 3

第八百九夜　一限の授業を終えて三限まで暇になり、図書館で勉強をしているとメッセージ・アプリの着信を知らせる振動が鞄から響いた。同じような境遇の友人から、昼休みに入る前に学生食堂で一緒に昼食をとのお誘いのメ […]

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第八百八夜

橘偲 -

9月 29

第八百八夜　眠い目を擦りながら手拭いを手に部屋を出、共用の細長い洗面台で顔を洗う。折角の小旅行だが、メイン・イベントは不発だったようだ。後はせめてこの宿の朝食と、昼過ぎまでこのあたりの観光地を巡って取り返 […]

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第八百七夜

橘偲 -

9月 26

第八百七夜　午前二時、クーラーボックスを荷台に乗せた自転車に跨って、荷物を背負い家を出た。明日は仕事が休みで、久し振りに近所の川に出て夜釣りを楽しもうという魂胆だ。　今年の夏はとにかく気温が高く、夜にな […]

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第八百六夜

橘偲 -

9月 22

第八百六夜　文化祭終了を告げるアナウンスが流れると、来場客が続々と校門へ向かって移動を始めた。その流れに逆らうように生徒達が各々の教室に戻って来る。ここから僅かな時間で後片付けをしなければならない。担任が […]

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第八百五夜

橘偲 -

9月 19

第八百五夜　始業時間まで二十分ほど、早足で事務所へ入り、既に出勤していた同僚二人に挨拶をしながら席に荷物を置いて、そのまま奥のトイレへ向かった。食中りというほどではないが、朝から少々腹の調子が悪い。　用 […]

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第八百四夜

橘偲 -

9月 15

第八百四夜　先輩達の怪談一時間ほど続いただろうか。「じゃあ、私で最後ね」と語り部の席に着いて宣言した先輩が、「Ｂ棟に入ってる新入生は挙手して下さい」と微笑むと、私を含めてぱらぱらと手が挙がる。　 […]

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