第五百六十夜   二年に上がって初めて教室に入って以来、不思議に思っていることがあった。他の学校、他の地域ではどうかわからないが、私の卒業した小学校では各教室にオルガンが置かれていた。中学に上がるとそれが無くな […]
第四百七十二夜   高校から帰宅して玄関の引き戸を開けると、どこかからチリチリと、とぎれとぎれに何かの金属音が聞こえた。 不審に思いつつも靴を脱ぎ、玄関のすぐ脇の階段で自室のある二階へ上ると、それは弟の部屋の戸 […]
第二百三十七夜   初めて乗った高級外車の座席は信じられぬほど柔らかく、座った尻が浮いているようでまるで落ち着かない。運転手の紳士も物腰は柔らかく丁寧な対応だったが、生真面目に無口で居心地がよろしくない。 この […]
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