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第八百三十四夜　実家に着いて荷物を置くなり、娘がリュックサックからシロクマのぬいぐるみを取り出して母に差し出す。つい先日のクリスマス会のプレゼント交換で貰ったものらしいのだが、「中から人間の毛みたいなも […]

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第八百三十三夜

橘偲 -

12月 26

第八百三十三夜　出動先から先輩が戻ってきた。労いの言葉を掛けながら彼のマグカップにインスタントの珈琲を淹れて机に置く。手洗いとうがいを済ませた彼はひとこと礼を言ってちびりとっ口を付け、冷えた手でマグを包む […]

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第八百三十夜

橘偲 -

12月 15

第七百三十夜　そろそろ年賀状を用意しなければと思っていたところへ、もう十数年は会っていない古い友人から一枚の葉書が届いた。盆に親族が立て続けに亡くなったため、今年の年賀状は送らないと言う挨拶だった。　そ […]

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第八百二十九夜

橘偲 -

12月 12

第八百二十九夜　学校から帰って玄関の扉を引くと、予想に反して鍵が掛かっていて小さくつんのめった。のめりながら朝の母の言葉を聞き流していたのを思い出す。夕方に用事があって出掛けるるから、塾へ行く前に冷蔵庫の […]

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第八百二十七夜

橘偲 -

12月 5

第八百二十七夜　サークルの部室で年末最後のレポートを書き上げて伸びをすると、腹の中に溜まっていた何かの気体が移動して腹が鳴った。それを聞き付けた後輩の一人が、昼食時も過ぎていい頃合いだから食事に行こうと声 […]

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第八百二十三夜

橘偲 -

11月 21

第八百二十三夜電車で座る女　夜勤明けのの早朝、下りの列車に揺られながら朝食に何を食べようかと思いながらスマート・フォンでニュースを眺めていると繁華街の駅から如何にも水商売らしい派手な身形の女性が乗ってき […]

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第八百二十一夜

橘偲 -

11月 14

第八百二十一夜　満員電車の蒸し暑さが嫌で薄着で出掛けたは良いものの、夕方に通り過ぎた前線のお陰で風が急に冷たくなって、帰宅するころにはすっかり体が冷えてしまっていた。電子錠に触れて扉を開けて荷物を置く。リ […]

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第八百十五夜

橘偲 -

10月 24

第八百十五夜　三連休を利用して、少々遠方の山へやってきた。紅葉の季節で人手も賑わい、初日は観光客の多い文化遺産や市街地を見て回り、二日目は朝から山のハイキング・コースを歩くことにした。　入口から暫く歩く […]

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第八百八夜

橘偲 -

9月 29

第八百八夜　眠い目を擦りながら手拭いを手に部屋を出、共用の細長い洗面台で顔を洗う。折角の小旅行だが、メイン・イベントは不発だったようだ。後はせめてこの宿の朝食と、昼過ぎまでこのあたりの観光地を巡って取り返 […]

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