第三百二十二夜   温かい布団の魔力からいつもより三十分も早く抜け出し、母に急かされながらどうにか支度をして家を出ると、冷たく湿度の高い空気が頬に絡みつき、吐く息が顔の前で白くなった。 ――暖冬暖冬といいながら […]
最近の投稿
アーカイブ