第百六夜   正月呆けの抜けぬ身体にスーツを纏って家を出ると、早朝の凛と硬い空気に思わず首が竦む。新暦で年が明けたと言っても、春はまだまだ先である。 コートの襟に頬を埋めながら階段を下り舗装路に出る。寒々しく枯 […]
最近の投稿
アーカイブ