第百五十一夜   日課のジョギングへ出ようと寝間着からジャージに着替えて家を出る。毎朝同じ時刻に家を出るのだが、夏至も近くなって随分と明るくなったのがわかる。気温も高く走っていて負担に感じ始めたので、もう少し時 […]
第百四十八夜   公園の水飲み場に溜まった水で行水をしていると、フィヨフィヨフィヨと聞き慣れぬ声がする。 嘴で翼の羽根を梳かしながらチラと見ると、ここらではあまり見ない、茶色い斑の鳥が降りてきた。冠のような飾り […]
第百四十一夜   健康だけが取り柄の私が突然の腹痛に襲われて病院に担ぎ込まれ、痛みに悶ているうちにあれよあれよと事が進んで、いつの間にやら手術が終わって入院という運びとなった日のことである。その晩、これまで入院 […]
第百三十九夜   友人の部屋に招かれて、友人四人で酒を飲むことになった。 男ばかりで集まるので適当な具材を買って鍋に放り込み、火が通るのを待たずに乾杯をする。 互いの近況報告などしているうちに鍋が煮え立ち、そろ […]
第百三十四夜    トレイに載せたグラス二つを窓際の少女達へ運ぶと、 「ね、これ、プレゼント!」 と聞こえてきた。 私のバイト先であるこの店は大手チェーンに比べて値段が安く、彼女達のような学生服姿の客も少なくな […]
第百二十七夜   北西の強風に吹かれるまま兄弟たちと親元を離れてどのくらい経ったろうか。私のほうが早く飛べる、否、私のほうが高く飛べると競い合っているうちに、随分と仲間も減ってしまっていた。あるものは上手く風に […]
第百二十四夜   塾の居残りで遅くなり、久し振りに独り夜道を歩くことになった。 ベッド・タウンの繁華街は狭く、二分も歩けばそこはもう人通りの少ない住宅街で、大通りから折れ、疎らな街灯がぽつりぽつりとアスファルト […]
第百十三夜   荷物を網棚に載せ、吊革を両手で握って目を閉じている。石油ストーブを焚くとすぐに頭痛のする質で、満員電車の酸素が薄いのか二酸化炭素が濃いのか知らないが、やや気分が悪くなっていたからだ。 少々手の痛 […]
第百十二夜   積まれた雪の融け残る住宅街の夜道を歩いていると、 「すいません、はい、どうも、ええ」 と、男の大きな声が響いた。相手の声の聞こえないことから推して、携帯電話で話しているのだろう。 振り向いても人 […]
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