第百三十九夜

 

友人の部屋に招かれて、友人四人で酒を飲むことになった。

男ばかりで集まるので適当な具材を買って鍋に放り込み、火が通るのを待たずに乾杯をする。

互いの近況報告などしているうちに鍋が煮え立ち、そろそろ箸を付けようかというところで一人が立ち上がり、便所の場所を部屋の主に尋ねる。食事中に席を立つのも嫌だから自分も次に行こうかと思いながら、見るとはなしに彼の後ろ姿を目で追っていると、彼は便所の戸を手前に引いた瞬間に、
「うわぁ」
と大きな声を上げてその場に尻餅をつきこちらを見る。

どうしたと皆が口々に問うと、怯えた様子で、
「女、女」
と繰り返すばかりで要領を得ない。

すると部屋の主が、
「ああ、あれか」
の言葉とともに立ち上がって便所まで歩いて行き、その上半身が便所に隠れるとともにガチャと音がする。
「ほら、平気だろ?」
と友人を促して便所に送り出して戻ってきた部屋の主は、鍋の周りでぽかんとしている我々二人に向かい、
「あの便器な、蓋を閉めるとその上に女の生首が乗ってるんだよ。俺は蓋を締めないようにしてるから忘れてたんだけど、さっき誰か便所に入ったとき、蓋閉めたろ?」
と笑う。

気味が悪くないのかと尋ねると、
「否、別に。便器に乗ってるだけで、声がするでもないし、他に実害もないしなぁ」
と言って、鍋の具を取り皿に移し始めた。

そんな夢を見た。