第五十二夜 きれいに短く切りそろえられた白髪頭を掻きながら老爺は淋しげに笑う。 「もう随分と長いこと、蝉の研究をしてきたけれどね、本当に、心の底から悔しいことが一つあるんだ」 「ほう」 と一つ返事をして、夕暮れの公園で友 […]
最近の投稿
アーカイブ