第五百四十九夜   部活の午前練習のために早起きして身支度を整えて居間に向かうと、寝間着姿のままの父がコンロに向かい朝食の準備をしていた。今日は父がリモート勤務で朝食当番らしい。 棚から皿と椀とを取り出して父の […]
第五百四十七夜   日課というほどのこともない単なる朝の習慣として、顔を洗い、軽く歯を磨くと、カーテンを開けて窓の外を眺める。 このアパートの二階の角部屋には学生の時分から随分長く住んでいるのだが、お隣の古い一 […]
第五百四十六夜   アルバイト先のバックヤードに、妙なところがあった。 カウンタから裏に入ると細長い事務所があり、その先に更衣室があるのだが、その扉は全開状態で固定され、扉の枠にレールを取り付けてカーテンで仕切 […]
第五百八夜   秋の陽は釣瓶落としとはよく言ったもので、夕焼けの残るうちに入った商店街の八百屋と肉屋とで買い物を済ますと、辺りはすっかり暗く、アーケードの向こうで太陽を追いかける細く白い月がくっきりと浮かんで見 […]
第五百六夜   帰宅の電車に揺られながら、疲れ目を癒やすべく目を閉じて手三里のツボを押していると、近くに座った学ラン姿の二人の、ちょうど声変わりの時期らしい声が耳に入ってきた。 「お前、いつもそれ食ってるよな」 […]
第五百二夜   仕事帰りに買ってきたビールをグラスに注ぎ、焼き鳥を串から外して皿に並べて晩酌の準備が完了した。 ナントカ宣言だかが久し振りに解除されたので外で飲もうと思えばそれが出来ないわけではない。が、今日は […]
第四百九十九夜   腹も熟れてきた昼下がり、散歩がてら少し大きな公園まで歩き、秋らしい植物でも写真に収めようかと家を出た。 もう十月だというのに、よく晴れて気温が高い。真夏に比べれば数度気温も湿度も低く過ごしや […]
第四百七十八夜   顔を洗い、身支度を整えて自室を出ると、隣室の扉が開いたまま、中からごそごそと人の動く気配がした。 通りがかりに中を覗くと、箪笥の前にしゃがみ込んだ寮長が紙袋にその中身を詰めている。 ――ああ […]
第四百七十五夜   学校の補修から帰宅して直ぐ洗濯機に水を張り、脱いだ衣類を放り込んでそのまま浴室に入った。夏に外を歩くと散歩程度でもシャツを絞れるくらい汗を掻くもので、着替えぬまま過ごしていると生乾きの匂いに […]
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