第七百八十四夜    卓上扇風機から送られてくる生暖かい風でせめてもの涼をとりながら、一向に減らない期末試験の答案用紙に赤ペンを入れていると、いつの間にやら傍らに置いたグラスの麦茶が消えていた。席を立って給湯室 […]
第七百七十四夜    先生が教室に入ってくるまで数分の時間潰しのつもりで朝読書に持参した本を読んでいると、しばらく熱中したところで引き戸が開いて先生が入ってきた。顔を上げるとジャージ姿の先生の上の壁掛け時計はい […]
第七百五十九夜    仕事から帰って来ると、普段にも増して騒がしい息子とそれを羨ましげに目を輝かせる娘、そして普段になく憂鬱そうな妻とが出迎えてくれた。三人揃って出迎えてくれる絵面と言うだけでも十分に珍しいのに […]
第七百四十九夜    放課後の職員室で学年末試験の解答用紙を整理していると、隣の机へ教頭がやってきて、 「これ、例のもの」 と同僚へ掌大の白い紙袋を渡した。同僚はさも嬉しそうにそれを受け取り、お代はといって財布 […]
第七百四十六夜    学年末試験まで一週間となった放課後、美術準備室へ忘れ物をしているのに気が付いて、仲の良い友人二人を誘って取りに行った。  準備室は普通の教室の三分の一ほどの広さで、廊下側の扉は施錠され、普 […]
第七百三十七夜    午前中で簡単なホーム・ルームを終えて帰宅しようと席を立ったところ、 「すみません、ちょっとだけお時間を宜しいでしょうか」 と女の子の声がした。目を遣ると何やら冊子の束を抱えた女子生徒が、担 […]
第七百十九夜    昼の最も混み合う時間を避けて少し遅い昼食をとりに学食へ向かうと、サークルの先輩が一人で座ってサンマを突いていた。挨拶をして隣の席に荷物を置かせてもらい熱いうどんをトレイに載せて戻ってくると、 […]
第七百十三夜   昼休みの休憩に入ってPCをスリープさせ、昼食は何が好いかと隣の息子に尋ねる。インフルエンザのために学級どころか学年閉鎖となり、タブレットに送られてきた課題をサボらぬよう隣に座らせていたのだ。 […]
第七百四夜   仲の良い友人三人と連れ立って、学校見学を兼ねて某理系大学の学園祭にやってきた。案内のパンフレットを手に色々の勧誘を受けながら校舎を歩いていると、お化け屋敷の看板が目に入る。 最先端の科学を学問す […]
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