第百五十一夜

 

日課のジョギングへ出ようと寝間着からジャージに着替えて家を出る。毎朝同じ時刻に家を出るのだが、夏至も近くなって随分と明るくなったのがわかる。気温も高く走っていて負担に感じ始めたので、もう少し時間を早めようか。

駅前の大きな公園のジョギング・コースへ向かう途中、視界の端に違和感を抱いて脚が鈍る。数年前に駅の近くに出来た高層マンションの玄関先である。

ゆっくりと敷地の端まで走った後、後ろ髪を引かれるような居心地の悪さにUターンして玄関へ戻る。

クリーム色のタイルの敷き詰められた中央、ガラス張りの玄関ドアの正面に、鳩の死骸がぽつんと落ちているのが見え、悪寒を覚える。

駅前には鳩が集まるから、猫が捕まえてきたのだろうか。いや、猫ならば獲物を食わずに放置するというのは不自然だ。せいぜい飼い主へのプレゼントの場合くらいだろうか。

すっきりしないながら、自分に鳩の死骸をどうすることも出来ぬので、再び公園へ向かって走る。

走りながらもつい考える。あの鳩はいつからあそこにあるのだろう。鳩と言えば夜中にはどこかへ姿を消すものだし、人の出入りの多い時間なら目に付いて、管理人かだれかが片付けそうなものだ。となると、こんな早朝から、集まり始めた鳩を誰かが捕らえて殺して放置したとでも言うのだろうか。

公園に着いてそのままジョギング・コースの柔らかな地面を蹴りながら、噴水を囲むベンチ前に集まる鳩を横目に汗を流した。

そんな夢を見た。