第七百三十夜    実家に着いて玄関に荷物を置くなり、買い出しに出る車の運転を頼まれた。部屋に荷物を運ぶくらいはさせてくれと言って居間の甥や姪たちに挨拶をし、仏間の脇を通って階段を上がって部屋に荷物を置く。珈琲 […]
第七百二十七夜    お客様のお部屋から内線が入ったとフロントから呼ばれた。少し早いが食事が終わったので露天風呂に入るから、その間に夕食の膳を片付けて布団を敷いておいて欲しいとのことだ。  洗い場に声を掛けてか […]
第七百二十六夜    バックヤードで事務仕事をしているところへシフト前十分ほどの余裕を持ってバイト君がやってきた。いつも通り挨拶を交わすが心做しか元気がない。  簡単な更衣室へ入って着替える彼へ、どうかしたのか […]
第七百二十五夜    昼休みの少し前、仕出し弁当屋の軽自動車が駐車場に入ってきた。いつものように挨拶を交わしてバックドアへ回って荷物を受け取ろうと待つ。  そこへ運転席から降りてきた弁当屋の親父さんが、 「兄さ […]
第七百二十二夜    電話が鳴って、夕飯の支度に掛かっていた手を止めた。電話機のディスプレイには二年前まで息子のお世話になっていた幼稚園の名前が表示されている。はて今更何の用かと首を傾げながら受話器を取ると、裏 […]
第七百二十一夜    晩酌のツマミもぼちぼち残り少なくなってきたところで、観るというよりは眺めていた映画が今ひとつ物足りないまま終わってしまった。もう暫く時間を潰そうとネット配信のニュース番組をモニタに映す。 […]
第七百十七夜   便所からデスクへ戻ろうとして、見るともなく同僚のデスク上を見て、犬の写真が飾られているのが目に入った。 「あれ?」 と思わず声が出る。彼女の家では幼い頃から一緒に育ったという老犬が飼われている […]
第七百十五夜   大風の後片付けに男手が欲しいと実家に請われ、祝日前の夜に車を走らせて帰省した。 疲れているから明日の片付けのために早く寝たいというのを父に止められ、晩酌に付き合わされる。傍らではテレビの特番で […]
第七百八夜   電気街でPCのパーツを買ってそろそろ帰宅しようかという折、空がにわかに掻き曇って大粒の雨が落ちてきた。秋分を過ぎて久しいというのにまるで夕立だ。雨具の用意も無く、買ったばかりの荷物を濡らすわけに […]
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