第六百九十九夜   電車を降り、改札を出ると駅前のアスファルトが湿っていた。どうやら珍しく夕立でも降ったようだ。 ところどころの凹みにできた水溜まりを踏まぬよう歩いて、夕飯を買いに駅前の量販店へ入る。温度も湿度 […]
第六百九十五夜   暦の上では秋ながらまだまだ猛暑日の続く早朝、まだ気温の上がらないうちに家を出た。それでもなお、駅に着いてホームへ上がる頃には額から汗が流れるから参ってしまう。 肩掛けの鞄を浮かせ、尻のポケッ […]
第六百九十一夜   駅前の大きな公園で花火がしたいという子供達の付き添いからの帰り道、同じ方面の最後の子との別れ際に 「じゃあ、うちはこっちだから、またね」 と言ってコンビニエンス・ストアの角を折れた。 すると […]
第六百九十夜   明日から三日遅れの盆休みとなる仕事帰り、向こう数日分の食料を求めて大型量販店の自転車置き場へ入ると、普段よりずっと空いていた。 ――ああ、やはり世間は盆休みなのだな と納得しながら鍵をかけて入 […]
第六百八十六夜   大学時代の友人の結婚式にて、控室で久し振りに会った友人達とお喋りをしていると、そのうちの一人の様子が気になった。お琴やお茶を習っているという彼女は大学生の頃から和装が好きで、機会があれば品良 […]
第六百六十二夜   さして大型でもない連休の最終日は生憎、一日中雨の予報だった。少なくなった食料を午前中に買い出しに出掛け、圧力鍋に適当な煮込み料理を仕込む。 冷凍食品のチャーハンと餃子を片手に、昔懐かしいテレ […]
第六百五十一夜   しとしとと春雨の降る晩、久し振りに戻ってきた肌寒さを肴に熱燗の準備をしていると、インターフォンの古臭い電子音が鳴った。水場の磨りガラスから戸の前に立つシルエットを観るに、ここの一階に住む大家 […]
第六百四十四夜   憂鬱な月曜の朝に目を覚まし、洗面台の前に身を屈めて驚いた。背中から脇腹が痛むのだ。といってもそれは学生時代によく味わっていた痛みで、恐らく病期の類ではない。筋肉痛だ。 洗顔後、簡単な朝食を摂 […]
第六百二十二夜   ネットで見付けたちょっと凝ったレシピがちょうど冷蔵庫の中身で作れることに気が付いて、少々早めに昼食の準備に取り掛かった。下拵えを終えて鍋を火に掛けて掻き混ぜると、レシピを表示させて傍らに置い […]
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