第六百七十一夜〜第六百八十夜 Archives

第六百八十夜うだるような夏の午後、いつも通り閑古鳥の鳴く店内でお手製のかき氷をスプーンで突付いていると、硝子の棒の触れ合う涼やかな音が店内に響いた。戸外の熱気と共に店へ入ってきたのは体格の良い短髪の男性で […]

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第六百七十九夜

橘偲 -

7月 6

第六百七十九夜陽が暮れてなお蒸し暑い中を帰宅し、郵便受けの中身を確認してゾッとした。チラシの類に紛れて一枚、見覚えのある葉書が見えたのだ。昼の熱気を蓄えて蒸し暑い部屋に入り、荷物を置いて冷房を掛けてから […]

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第六百七十八夜

橘偲 -

7月 2

第六百七十八夜久しぶりによく晴れた休日の午後、早々に乾いた洗濯物を取り込んでいると、ポケットの中でスマート・フォンが振動した。そそくさとベランダへの掃き出し窓を閉めて冷気の流出を止めてから確認すると、大学 […]

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第六百七十七夜

橘偲 -

6月 29

第六百七十七夜トレイに載せたカップ二つを窓際の少女達へ運ぶと、「ね、後輩から凄いのが送られてきたんだけど！」と聞こえてきた。私のバイト先であるこの店は大手チェーンに比べて値段が安く、彼女達のような学 […]

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六百七十六夜

橘偲 -

6月 25

第六百七十六夜始業時間前に淹れたコーヒーを飲みながらデスクでニュース記事を眺めていると、珍しく遅めにやって来た部下の一人が慌て気味にデスクに着くのが目に入った。ここのところ顔色が優れなかったこともあり、 […]

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第六百七十五夜

橘偲 -

6月 22

第六百七十五夜夏至が近付いて随分陽が長くなった。七時を回って尚薄明るい中を最寄り駅から自転車に乗って帰宅すると、先に帰宅して、犬とともに出迎えてくれた妻に元気がない。どうかしたのかと尋ねる私に、彼女は右手 […]

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第六百七十四夜

橘偲 -

6月 18

第六百七十四夜仕事の話を終えて荷物を片付けながら、間を埋める世間話に、「あの、先程はご都合を考えずにお電話差し上げてしまって失礼致しました」と今更ながら謝罪をした。遡ること三時間ほど、打ち合わせに先立 […]

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第六百七十三夜

橘偲 -

6月 15

第六百七十三夜宿泊学習で県内の湖畔の県営施設に宿泊し、早朝に起きて霧雨の中のラジオ体操を終えるとすっかり身体が冷えていた。食堂へ移動して温かいスープを飲むと、腹に収まった熱がじわじわと手脚へ広がって行くよ […]

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第六百七十二夜

橘偲 -

6月 11

第六百七十二夜気象庁が梅雨入りを発表した週の休日、朝食を摂りながら見た天気予報で「今日は貴重な晴れ間」と言うのを聞き、溜まっていた洗濯物に手を付けることにした。アパートから徒歩三分ほどの位置にあるコイン […]

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