第六百二十夜   何やら冷たいものが頬を撫でる感触で目が覚めた。猫が朝飯をねだりにでも来たろうかと思うが、それにしては感触が冷たい。ならばカーテンが風に吹かれ頬を掠めて揺れているのだろうか。いや、師走も半ばにな […]
第六百十九夜   担任から、娘の通学路について一斉メールで連絡が来た。年末が近付いて気の緩む時期、四月に届け出たそれから大幅に逸れて寄り道をする子供が増えるので、各家庭で適切な指導をとのことだった。 中学生なが […]
第六百十八夜   定期試験の最終日、試験後のホームルームで担任が、五名ほどアルバイトを雇いたいというので立候補した。在校生の定期試験の終わった明日からは中等部の推薦入試が始まるそうで、そのために各教室の机を運び […]
第六百十六夜   友人と二人連れで映画を見た帰り、夕食を摂るにはまだ早く解散するにはまだ早い。何か甘いものでも食べるのに良い店はないかと繁華街を並んで歩いていた。 暫く歩くと、髭を生やしナイト・キャップを被った […]
第六百十五夜   エレベータ・ホールに到着して下向きの三角形が描かれたボタンを押して上を向くと、一階のランプが点灯していた。 一階のランプが消えて二階のそれが点き、また消えて三階へと移る様子を眺めながら、背後か […]
第六百十四夜   友人がメッセージ・アプリで、 ――ちょっとこれを見て という言葉とともに猫の画像を送ってきた。長毛種の猫が撫でろとでも言うように仰向けになって腹を見せている。 提出課題をやっつけている最中だっ […]
第六百十三夜   郊外の大型量販店へ買い出しに出掛けた帰りの夕刻、事故でもあったか五十日にでも当たったか知らないが幹線道路で渋滞に巻き込まれた。 幹線道路といってもこの辺りは住宅街にほど近く、また片側が三車線も […]
第六百十二夜   仕事から帰宅して夕食を撮ると直ぐ、前日から準備していた荷物を車へ積み込んで友人宅へ出発した。彼のキャンプ趣味に興味を持った私が何処かへ連れて行ってくれと頼むと、二人分の用具は十分にあるのだが彼 […]
第六百十一夜   秋晴れの日曜の午後、スリッパを履いてゴルフの中継を聞き流しているのは駅前の鍼灸院の待合室だった。 眼精疲労か運動不足か、はたまた季節の変わり目か、ここのところ肩凝りが酷くて堪らないのだと先日部 […]
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