第三百八十夜   定時の巡回から帰るなり、 「いや、参った。汗だくだから、ちょっと着替えるわ」 と、先輩は毛むくじゃらの手に持ったタオルで顔の汗を拭った。どうぞと答える暇もなく彼はロッカを開けると上着を脱ぎ始め […]
第三百七十九夜   シャンプーを洗い流した髪を肩口で絞りながらふと目を上げると、換気のため僅かに開けた窓の隙間からこちらを覗く片目と目があって、思わずキャアと悲鳴が出た。 自分でも驚くほどの声だったためか、母が […]
第三百七十八夜   盆休み、今年はこちらの実家の番ということで、夫と子供とを連れて昨冬から半年振りに帰省した。 母の甘やかしによって夕食の片付けの手伝いを免除された娘と息子が居間でお盆定番のテレビの心霊特集を見 […]
第三百七十七夜   蒸し暑さに目が覚めて、やや寝足りないものを感じつつ顔を洗って水を飲む。額や首に熱が籠もっているように感じるのは軽い熱中症だろうか。 汗で湿った寝間着をジョギング用の服に着替え、水筒とイヤホン […]
第三百七十六夜   八月に入って急に猛暑がやってきた。事務所内は冷房を効かせてそれなりに涼しいものの席により個人により体感温度が異なるし、節電という大義名分を味方につけた寒がり勢力に合わせた温度設定がなされてい […]
第三百七十五夜   幸いにもテレ・ワークで大半の仕事が片付く職種なのだが、週に一度の出社でしか外へ出歩かなくなって早くも三ヶ月が経った。 運動不足は自覚していたが、先日遂に、 「顔に肉がついたのでは?」 と後輩 […]
第三百七十四夜   いつもの最終バスに揺られながらスマート・フォンで今日のニュースをチェックしていると、普段なら停まらぬ停留所にバスが付けた。最終バスといっても田舎のことだからまだ午後十一時の手前ではあるが、田 […]
第三百七十三夜   まだまだ通常通りとはいかない学校の授業だけれど、市の施設を使うということもあり、私達四年生の校外学習、一泊の林間学校は無事に行われることになった。 その報せを受けた夜、二段ベッド二横になって […]
第三百七十二夜   着替えやら化粧品やら、一通りの荷物を詰め込むと、スーツ・ケースはそれなりの重さになった。それをゴロゴロと引っ張りながら向かっているのは、残念ながら旅行先ではない。住民票を都に移してしまってい […]
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