第三百四十夜   朝食を終えて洗い物に掛かる妻にへ、 「では、行ってきます」 と手を振って、玄関の自転車を担いで家を出た。四月からの新居候補の幾つかを、サイクリングがてら回ってこいという命令である。 お互い子供 […]
第三百三十九夜   コロナ・ウィルスの影響で、我がサークルでも会議が開かれた。といっても、メッセージ・アプリのグループ・チャット上での会議である。大学も施設の利用はほぼ停止して、入学式の日程すらも検討中だという […]
第三百三十八夜   暇なバイト仲間で集まって酒を飲むことになった。暇というのは事実でありつつ、バイト仲間の気になる子を呼んで仲良くなろうという魂胆で、家主である女友達と共謀して互いに意中の相手を誘ったわけだ。 […]
第三百三十六夜   当直の夜、消灯時間の見回りを終えて事務所に戻り、珈琲メーカのスイッチとテレビの電源を入れ、スポーツ・ニュースを探してチャンネルを弄る。 老人介護施設の当直といっても、重い病気や痴呆の入居者が […]
第三百三十五夜   ガサゴソと周囲が騒がしくて目を覚ますと、カーキ色のドーム型の天井が目に入る。寝惚けた目を擦ろうと動かした腕が寝袋に阻まれて、昨日からキャンプに来ていたのを思い出す。 もぞもぞと動いた私に気付 […]
第三百三十四夜   乗降客のほとんどいない改札を抜け、車両で見つけた同級の友人二人と並んで、学校へ向かって歩き始める。真っ昼間の通学路を歩くのが初めてたからだろう、新鮮さと居心地の悪さを感じる。 期末試験の採点 […]
第三百三十三夜   ドライヤの温風を髪に当てながら、バッサリと切ってしまおうかと鏡を見つめる。 どうせ学校は四月の新学期まで始まらないし、友達と何処かへ遊びに出掛けるというのも色々と不安だし親も良い顔をしない。 […]
第三百三十二夜   風呂を上がって髪にタオルを巻き、部屋着に着替えるとようやく一心地付き、帰宅したという安らぎが得られた。 厳密にはまだ鼻はムズムズするし目も痒いのだけれど、これは風呂を上がってしばらくすれば治 […]
第三百三十一夜   いつもの様に夕飯の買い物から帰って玄関の前へ自転車を停め、蛇腹の門扉を閉める。 花粉も飛び、そろそろ啓蟄というのに、六時を回ると辺りはすっかり暗く空気も冷える。歳で曲がった背中を寒さで更に丸 […]
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