第三百夜   金曜の夜に夜行バスで東京へ来て、一日あちらこちらの庭園の写真を撮って回ると、冬至も近付いて黒々と澄んだ晩秋の空は月の見事な夜になっていた。 明日の夕方には再び高速バスに乗る予定だが、それまでの時間 […]
第二百九十九夜   こんなに小中学時代の同学年の皆が集まったのは何年ぶりだろう。互いにちらちらと顔を見合い、当然目が合うのだがその度に、 「今は忙しいからまた落ち着いたらね」 というようなアイ・コンタクトをして […]
第二百九十八夜   文化部の同級生数人で、中間試験を終えた開放感を味わいながら駅前の大通りまで歩いていた。テスト前二週間の部活動停止期間がようやく開けて、その間に積もった他愛もない話をするために歩調を緩めて歩い […]
第二百九十七夜   文化部の同級生数人で、中間試験を終えた開放感を味わいながら駅前の大通りまで歩いていた。テスト前二週間の部活動停止期間がようやく開けて、その間に積もった他愛もない話をするために歩調を緩めて歩い […]
第二百九十六夜   空きっ腹と夕食の材料を抱えて帰宅し、ワンルームの狭い台所に立って驚いた。つい昨日まで何の問題もなく動いていた電気炊飯器の動作を示すランプが消えている。 恐る恐る蓋を開けてみれば、残業を見越し […]
第二百九十五夜   娘の出し物が終わると、次の種目まですっかり暇になってしまった。妻は一度自宅に戻って昼食の弁当の準備をするからと言って帰宅し、手伝おうかと提案したものの、普段から碌に料理をしてこなかった実績に […]
第二百九十四夜   バイトを終え、バックヤードで着替えていると携帯電話が鳴った。大学の友人の名前を確認し、イヤホンを耳へ刺して通話開始のボタンを押すと、何度も電話をしたのに何故出なかったと苦情が耳に飛び込んでく […]
第二百九十三夜   心配だから帰ってこいと言われ、台風の週末を実家で過ごすことにした。 どうせ風と雨で何処へ出掛けることも出来ないのは確かだが、田舎の木造平屋建と鉄筋コンクリートの単身者向けアパートとでどちらが […]
第二百九十二夜   「ねぇ、あの部屋は駄目だよ」。 始発前、二時間ほども寝ていない皆を叩き起こし、腹が減ったと言ってファミリ・レストランのチェーン店へ連れてきた張本人が、珈琲を一口飲んで放った第一声がこれだった […]
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