第七百二十四夜    三時限目、本日最期の試験時間が終わって解答用紙を前の席に回し、ようやく隣の席へ、 「その足、どうしたの?」 と声を掛けることが出来た。昨日まで何でもなかった彼女が、今朝のホームルームの始ま […]
第六百五十八夜   今日は入院した友人の見舞いに、友人三人で地域のターミナル駅に待ち合わせをした。入院と言っても大怪我とか大病というわけではないらしい。足に出来た傷口からなんだか悪い菌が入って大きく腫れ、傷の位 […]
第四百八十二夜   勤め先を移って初めての夜勤中、先輩が二度目の定時の巡回にナース・ステーションを出た足音がだんだんと遠ざかり、階段を上って聞こえなくなった。先程教えられた順路を新人の私が一人で回ると申し出たの […]
第四百五夜   目を覚ますと周囲が青白く、消毒薬の匂いに満ちていた。眠い頭で暫く考えて、自分が入院中だと思い出す。 学校から帰宅して直ぐに急な腹痛に襲われて医者に担ぎ込まれ、虫垂炎、いわゆるモーチョーだと診断さ […]
第四百夜   病室で亡くなった患者さんの清拭が終わり、ベッドからストレッチャへ載せて病室を出る。遺体の搬送業者が来るまで、一時的に霊安室へ移っていただかなければならない。 ご高齢の奥様は付きっきりの看病続きであ […]
第三百五夜   気が付くと、青白い蛍光灯の光る白い部屋に仰向けに寝かされていた。 腕には点滴の針が刺さり、ズボンのベルトとボタンとは外されており、顎を引いて体を見ると、初めて見る灰色のトレーナを着せられている。 […]
第二百四十五夜   薬品の臭いのする廊下を、足音を忍ばせながら部屋番号を確かめつつ歩く。特に病院が嫌いというわけではないが、非日常的な清潔さ、静かさ、臭いには、どうしても胸がざわつく。 ――あった。 目的の大部 […]
第二百三十四夜   患者の容態が安定し、ほっと胸を撫で下ろしてナース・ステイションで一息吐く。お茶を啜りながら、 「先刻はどうして……?」 と、保留していた疑問を先輩看護師に投げかかける。 小一時間前のこと、ナ […]
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