第七百七十七夜    同僚が右目に眼帯をして出勤をするようになって二週間が経った。始めは特に気にしてもいなかったのだが、モノモライというのはこんなに長引くものだったろうかと気になって、昼休みの暇に、 「目は、ま […]
第六百十七夜   夕飯の後の洗い物を終えて風呂を洗っていると、母が犬の散歩から帰ってきた。我が家では犬の散歩は交代制で、夕食後に散歩へ連れて行った者が一番風呂に入る決まりになっている。普段なら帰宅に間に合うつも […]
第六百三夜   定期試験の初日、午前で三教科の試験を終えて、秋雨の降る中を帰宅していた。急に秋めいて肌寒い住宅街は昼下がりということもあってか人気が無く、細い道を通る車も無い。ただ傘を打つ雨滴のノイズを聞きなが […]
第六百二夜   流行り病にやられた同僚が二週間ぶりに見せた姿は、それはもう別人かと見紛うほどにやつれていた。本人曰く「運悪く肺に入った」そうで、始めの一週間は人工呼吸器の類を付けてほとんど身動きもとれず、次の一 […]
第五百四十夜   「ようやく春らしい陽気に恵まれるでしょう」との気象予報士の言葉を信じ、朝食を済ませて直ぐ一週間の洗濯物をやっつけてベランダに干すと、ここのところ続く窮屈な日常の息抜きにとドライブに出掛けた。 […]
第四百六十二夜   客が少ないからと連絡してきた友人の飲み屋で夕食代わりの晩酌をしていると、隣で友人自慢の自家製チョリソをアテにちびちびとワインを舐めていた老紳士が話し掛けてきた。 彼も自営業をやっているらしい […]
第四百四十二夜   オンラインでの会議を終え、すっかり冷めた珈琲を淹れ直してパソコン・ラックへ戻ってくると、上司からの通話要求を知らせるサインが点灯していた。 慌てて通話を開始し、カップを見せながら待たせたこと […]
第二百七十九夜   せめて気温の上がり切る前にと、開店直後の量販店で食料を買い込んだ。一週間分の食料のずっしりと重い買い物袋を両手に提げて、額を垂れる汗を拭うこともままならないまま住宅街の細い路地へ入る。 大通 […]
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